夏でも身近に花を飾りたいものです。でも、切り花が早めにダメになってしまうのが何とも残念なところ。夏のあいだは花を飾ることを敬遠している方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、切り花ではなく「鉢植え」を選べば、暑い夏にも長く花を楽しむことができるのです。
今回は、ガーデニング初心者の方にも育てやすい鉢植えの花を紹介していきます。
ミニヒマワリ
ヒマワリといえば、大地に根を張り高く伸びているイメージですが、今は可愛らしいミニヒマワリも人気を集めています。ミニヒマワリは、切り花でも多く流通して夏のブーケに欠かせない存在です。
東京オリンピックのメダリストのためのブーケにも、ミニヒマワリが使われています。そんな縁起のいいミニヒマワリを長く楽しむには、鉢植えを選んでみましょう。
開花時期 | 5〜8月 |
耐暑性 | ◎ |
耐寒性 | ✕ |
置き場所 | 日向 |
乾燥 | あまり強くない |
翌年 | 咲かない |
ミニヒマワリのお世話のポイントは「水やり」です。地面に直接植える場合とちがって、植木鉢やプランターは蓄えておける水の量に限界があります。
土の表面乾いたら、たっぷり水やりをしましょう。
ミニヒマワリの鉢植えは多く流通していないため、インターネットで探してみるのもおすすめです。生産者の方が運営しているサイトではお店よりも新鮮な苗が手に入ることも多いようです。
また、ミニヒマワリはヒマワリと同じく一年草で、同じ株で翌年も花を咲かせることはできない性質があります。
来年もミニヒマワリを楽しみたい場合には、秋に種を収穫して保管しておき、4〜6月に植えるとまた花を咲かせてくれるでしょう。
サルビア
サルビアは、学校や公園の花壇でもおなじみの花。子どもの頃にサルビアの花の蜜を吸った思い出がある方もいるもしれません。
最近は赤いサルビアだけでなく、涼しげな紫色や青色のサルビアもよく出回っています。
開花時期 | 5〜11月 |
耐暑性 | ◎ |
耐寒性 | △〜◯ |
置き場所 | 日向 |
乾燥 | 強い |
翌年 | 咲くことが多い |
サルビアは、切り花よりも苗で売られることが多い丈夫な園芸向きの花です。サルビアにはもちろん水やりは必要ですが、乾燥にも強いので、こまめな水やりが苦手な方にもおすすめです。
サルビアの原産国ブラジルは、冬でも20℃を超える温暖な気候です。サルビアは一般的には日本の冬を越すことができないため、一年草に分類されています。
しかし、ガーデニング愛好家の間では、翌年も芽を出すサルビアの例が多く報告されているのです。
サルビアは、ブラジルでは毎年の花を咲かせる多年草で、うまく冬の寒さをしのげれば、日本でも毎年花を咲かせてくれる可能性があります。
サルビアは、冬越しをさせるためにも、鉢植えで管理するのが好都合です。
冬の間は、玄関など屋内に置いて、土が乾いたら水やりをします。翌年に芽を出してくれるかは気候にもよりますが、試してみてはいかがでしょうか。
キキョウ
キキョウは、初秋の季語で、最近では敬老の日のギフトとしても定番になりつつあることから、秋の花と思っている方も多いかもしれません。
ですが、キキョウの花の咲く時期は6月から9月で、実は夏に咲く花なのです。キキョウの鉢植えは、夏から買って長く楽しむのがおすすめです。
開花時期 | 6月中旬〜9月下旬 |
耐暑性 | ◎ |
耐寒性 | ◎ |
置き場所 | 日向 |
乾燥 | あまり強くない |
翌年 | 咲く |
もともとは日本の山野に自生していたキキョウは、やや湿り気のある土を好みます。鉢植えの土が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。
6月ごろから咲き始め、盛夏にはいったん花の数が減り、その後にまた花をつけます。花をたくさん咲かせるコツは、花が終わった花がらを摘むことです。
花がらをそのままにしておくと種をつけるのにエネルギーが奪われて、次の花が咲かなくなってしまいます。
キキョウは多年草で、翌年も同じ株がまた花を咲かせてくれますので、種よりも花を優先させても大丈夫です。
冬の間は地上部は枯れてしまいますが、根は生きていますので、鉢植えの土が完全に乾かない程度に水やりをします。霜が降りるほど寒い地域の場合には、鉢植えを屋内に入れて冬越しさせましょう。
インパチェンス
インパチェンスは、夏の鉢植えとして代表的なニチニチソウに見た目も育て方もとてもよく似ています。
よく似てはいますが、インパチェンスには、八重咲きの品種があり、まるでミニバラのような雰囲気の花を気軽に楽しむことができるのが大きなメリットです。
八重咲きだけでなく、2色の花びらや豊富な花色がそろっていますので、お好みのインパチェンスを探してみてはいかがでしょうか?
開花時期 | 5〜11月 |
耐暑性 | ◯ |
耐寒性 | △ |
置き場所 | 半日陰〜日向 |
乾燥 | 弱い |
翌年 | 咲くこともある |
インパチェンスは夏らしい見た目とは裏腹に日陰でも育ってくれる花です。とはいえ、日光があった方が花がよく咲きますので、直射日光は避けながら日向に置きましょう。
アフリカが原産ですが、乾燥には強くありません。特に鉢植えの場合は、水が蓄えられないので、土が乾いたらたっぷりと水やりをします。
アフリカ原産で、寒さは苦手なインパチェンスですが、日本で改良された園芸品種のインパチェンスは、サルビアと同じように冬の寒さに耐えられる場合もあります。
冬越しをさせたい場合には、屋内に入れて土が乾かない程度に水やりをしてみましょう。
しっかりと世話をしても、気候に合わないこともありますが、翌年も芽を出してくれたたときの喜びは格別なものです。
夏の鉢植えの置き場所は?
せっかく苗を鉢に植え替えたり、鉢植えを買ったら、いつも見られるお部屋の中に置きたくなってしまうかもしれません。
でも、植物は室内に置くことが向いていないものも多いのです。特に夏に咲く花は、日光をたくさん必要としている場合が多く、室内に置くことで元気がなくなってしまう場合もあります。また、屋外で風が通ることによって、土や植物自体に虫がつくのを予防することもできます。
今回ご紹介した花の中では、直射日光に弱く日陰でも育ちやすいキキョウ、インパチェンスは様子を見ながら室内に置くこともできる種類です。
ただし、室内でも日のあたる場所で、室内に置くのは1〜2日程度にとどめておいた方が良いようです。
基本的には、鉢植えの植物は、屋外に置いて強い直射日光を避けてながら管理するのがおすすめです。
鉢植えのお花を室内で楽しむには?
切り花がすぐに傷むから鉢植えにしたのに、部屋に飾れないのなら意味がない、と思われるかもしれません。その場合は、ぜひ自分で花瓶に生けてみてください。
鉢植えの花にとって、花を早めに切りとることが次の花を咲かせることにつながり、一石二鳥の方法です。
鉢植えの花がきれいに咲いたら、花瓶のサイズに合わせた長さに切ります。切るときには、切り口から花が傷まないようにできるだけ切れ味のよいハサミで切りましょう。
花瓶に生ける前にもう一度“水切り”といって溜めた水の中で斜めに茎を切ります。こうすることにより、切り口に空気が入ったり乾燥してしまうのを防ぎます。切り口が水を良う機能を保ったままになるので、切り花は水をよく吸い上げ、長持ちするのです。
鉢植えで咲かせて花瓶に生けると、花が新鮮ですし、自分で育てる喜びも味わえます。お店で売られている花と組み合わせても素敵です。
おわりに
育てやすい夏の鉢植えをご紹介しました。人間にとっては暑さの厳しい夏も、植物にとってはふんだんに日光が浴び、葉の緑色も濃くなり、生命力を発揮する季節です。
身近に生き生きと花開く鉢植えの花が一つあると、元気をもらえるかもしれません。
鉢植えを取り入れると、夏でも大いに花を楽しむことができます。
ご紹介した花は、お花屋さんやオンラインショップで手に入りやすいものばかりですので、ぜひお気に入りの鉢植えを探してみてくださいね。
【 この記事を書いている人 】
&Greenは、あらゆるアウトドアを等身大でお届けするメディアサイトです。自然にまつわる様々な知識や情報を多様面からお届け!ここでしか知ることのできない内容が盛り沢山です。学生から大人まで、幅広い方々に楽しんでいただけます。ありのままの自然を知り、地球を大切に楽しみましょう♪