John Muir Trail -ある夏の私の旅- 【4日目】

トレイル

8月25日【Day4 Marie Lakes Trail → Gladys LakeとVivian Lakeの間                                                                                                                       23.3km/85.3km】

前日の疲れもあり、朝は少し遅めに起きた。少しの傾斜があるところでもよく眠れるようになってきた。昨日お世話になった3人組に別れを言い、この日も歩く。

この日は湖を多く見た。Thousand Island Lakeという大きな湖を横目に足場の悪いガレ場を歩いた。前から、一人の女の子が歩いてくる。「ひとり?」「ひとり!」そしてハイタッチ。

歩きながらのほんの数秒の会話だったが、同い年くらいの女の子にあったのは久しぶりだったので心が弾んだ。彼女はどこからきてどこに行くのだろう。このような一瞬の出会いを、楽しんでいる自分がいた。

湖の色が美しかった。何個も湖があるのだが、そのすべてがそれぞれの個性を持っているようで、比べながら歩くのもまた楽しかった。静かな空間にチャプンチャプンと水の音が聞こえてくる。

この日は一瞬道を間違えた。橋を渡ってから湖沿いに歩くのが正しかったのだが、足跡をたどっていたら、崖に向かっていた。危なかった。引き返して本当に良かった。同じように道を間違えた人がいたのだろうか・・・。

このころから、猛烈に喉が渇くようになった。登っているとき、何をしたいかというと、とりあえず水が飲みたい。どれだけ水を飲んでも、数歩歩くとまた飲みたくなる。下山したら、まず最初にコーラを飲もうと、この日から毎日思った。

靴下を二足持って行ったのだが、二足とも破れた。腰のベルトで腰骨の部分が内出血を起こしていた。しょうがない。今更何もできない。

ただ、この日、Island Passを越えた時に、一瞬電波が届いたところがあり、4日ぶりに家族や仲間と連絡が取れた。電波は届かないと覚悟していたからか、心が浮きそうなくらいうれしかった。

この日はShadow Lakeを越えた急登を登り終えた後の、沼地でテントを張った。時間に余裕があったので焚火をして、洗濯をして、パスタを作って、焚火のそばでゆっくり日が落ちていくのを眺めた。

焚火を見ていると、その日の疲れがどこかに行くような、火に自分が溶け込んでしまうような感覚になる。

途中で二人の女性ハイカーが近くに来たので、焚火を一緒に使いながら細々と話をした。「日本のお味噌汁はロングトレイルには素晴らしい、塩分が高くてとてもいい。」と言っていたのが印象に残っている。

テントの中に入り込み、蚊が多いので入り口を網戸にし、シュラフにくるまってさっきの焚火の残り火を眺めながらボーっとする。テントの中が好きだ。この時間のために歩いている。長距離歩行は何も考えないことが大切なのかもしれない。

なぜ歩くのかを考えてはいけない。ただひたすらにゴールを目指す。何か考えがよぎったらその瞬間に一歩足をゴールに向ける。

これは究極の哲学な気がする。

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