ふと夜空を見上げたとき、よく見ると星に様々な色がついているのがわかります。例えば、オリオン座の左上部分にある星、ベテルギウスは赤い星として有名です。この星は冬の大三角を構成する星の1つなので、見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
それに対して、オリオン座の右下部分にある星、リゲルは青白く輝いているように見えます。このように、一口に星と言っても赤い星や青い星、白い星がありますよね。では、星に色がついているのはどうしてなのでしょうか?
星に色があるのはなぜ?
星に色がついて見えるのは、2つのパターンがあります。
1つ目:星の色が照らされて、地表の色などが見えるタイプ。(物体色)
2つ目:星自身が放っている光の色が見えるタイプ。(光源色)
具体的に言うと、自分で光らない星である、《 月 》《 火星》《 木星 》などは、1つ目のパターンで、私たちには物体色が見えているわけです。その一方で、星自身が発光している場合、私たちはその光の色を見ているということになります。例えば、最初に例に挙げたベテルギウスも自分自身が発光している光の色が見えている星の一つです。火星とベテルギウスが赤く見えるのは、別々の理由があるということです。
ただ、私たちが肉眼で見ている星のほとんどは2つ目のパターンでその星自身が輝いている色が見えるということがほとんどです。そのため、ここからはその星自身が発光して色を出しているパターン(光源色)のお話を進めていきます。
赤い星と青い星の違いは何?
実は、光源色の違いは「炎色反応」によるものです。理科の実験、技術の実習などで鉄板を加熱したことはないでしょうか。そのとき、鉄板を温め始めたばかりのころは徐々に赤色になってきます。さらに加熱していくと、色がオレンジや黄色に変わっていきます。
このように、温度によって色が変わる…という現象のことを特に金属が燃えている場合、炎色反応と言います。「炎色反応」という言葉を聞いて、ピンと来ていた方もいるかもしれませんね。つまり、光の色は温度に関係しており、星の色もその温度に関係しているのです。簡単に言うと、次のようにまとめられます。
・表面温度の低い星(1700度~5700度)は、赤色っぽく見える
・表面温度の高い星(5700度~19000度)は、青色っぽく見える
星の温度は何で決まるのか?
では、そもそも星の温度自体はどのように決まっているのか、ということが気になってきます。私たちが肉眼で観察している星の多くは、質量が大きな星だと、
・中心部の核融合反応が非常に盛んである。
・発生するエネルギーも核融合反応に伴って大きくなる。
・表面の温度が高くなる。
ということがわかっています。要するに、質量が大きい(=重い)星ほど、青っぽく見えます。その逆もしかりで、質量の小さな星だと、赤っぽく見えます。しかし、質量が大きくても赤い星もまた存在します。その一例が、オリオン座のベテルギウスです。
ベテルギウスの質量は、太陽9.5個~21個分と推測されているほど大きな星です。にもかかわらず、ベテルギウスが赤っぽく見えるのは、星の寿命を迎えつつあるからです。2019年秋にベテルギウスが超新星爆発を起こして、今後数年で観測できなくなる可能性がある、という報道を耳にした方もいると思います。ベテルギウスのように、寿命が近く質量が大きくなった星を、「赤色巨星」と呼びます。有名な赤色巨星の例は、以下の通りです。
・さそり座のアンタレス
・おうし座のアルデバラン
・うしかい座のアークトゥルス
まとめ
今回の記事では、夜空に輝く星の色について解説していきました。
星の色には、以下2種類があります。
1. 物体色 : 星の色が照らされて、地表の色などが見えるタイプ
2. 光源色 : 星自身が放っている光の色が見えるタイプ
そして、光源色の色を見ている場合、色の違いはほぼ次のように説明できます。
1. 質量の大きい(重い)星 = 表面温度が高い = 青っぽく見える
2. 質量の小さい(軽い)星 = 表面温度が低い = 赤っぽく見える
また、ベテルギウス、アンタレスなどの赤色巨星はこの例外に当てはまります。星の質量のこと、温度のことも考えながら天体観測をしてみると、いつもとはちょっと違う視点で夜空を眺められるかもしれませんね。
【 この記事を書いている人 】
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