テント設営
初キャンプに挑んだ、私たち夫婦。
チェックインを終え、神之川キャンプ場のサイトNo.8で、テント設営をスタートしました。
果たして、何事もなく無事に終えることができるのでしょうか――。
最初のつまずき・・・テント設営
さぁ、テントを設営していきましょう!
私たちが持参したのは、王道メーカー「コールマン」のドームテントです。
コールマン(Coleman) テント BCクロスドーム 270 グリーン 4〜5人用 2000038429
実はこのテント、叔母からいただいてから、まだ一度も開封していませんでした。
――これが、つまずきの始まりでした。
現地で初めて開封したテントを眺めながら、早くも混乱する私たち。初めて見るシートやポール。どう組み立てるのか、皆目見当がつきません。
とにかく説明書を見ながら、プラモデルのように順に組み立てればいい、簡単にできるはずだと自分に言い聞かせて、設営をスタートします。
まずは、寝床になるインナーシートを広げ、四隅をペグダウンしていきます・・・が。
あれ・・・入らない・・・
サイトの地面が固く、ペグがなかなか刺さっていきません。それもそのはず。ここ神之川キャンプ場は、地盤がものすごく固いのが特徴。
砂利混ざりで、時おり大きな石もあり、慣れているキャンパーでも手こずってしまうキャンプ場で、固いスチールペグと、金属ハンマーは必携です。
一方、私たちが持参したのは、コールマン付属品のアルミペグと、100円ショップのゴムハンマー。歯が立つわけがありません。
必死に「ポムポム」――実際、こんな効果音でした――と何回もペグを叩いていきます。妻に「入ってる?」と聞き、妻も「少し動いた」と返す、そんなやりとりを繰り返しました。
段々と力が入らなくなっていき、あきらめ気味に。それでもなんとか、4隅ともペグの半分ほどが地中に入りました。半分くらい刺さっていれば大丈夫だろう――ようやく4隅をペグダウン。
その後、テントの骨組みを組み立て、インナーシートに取り付けて持ち上げます。すると、一気にテントらしくなり、落ちかけていたテンションが少しだけ戻りました。
さらにフライシートを被せ、前室の骨組みを入れていきます。説明書の写真と違い、しわくちゃでヘナヘナした感じになりましたが、体力的に限界がきていたため、手直しはしませんでした・・・。
とりあえず完成しましたが、この時点で、すでに15時を過ぎていました。――すべてが後手後手に回っています。そこでお昼の食事はあきらめ、夕食の準備をしようと決断する私たち。
まずは、キッチンをセッティングします。
料理の作業台として持参したテーブルは、家にあった低い木製のもの。そこに、古い折りたたみタイプのイスを据えます。
しかしこのイス、テーブルとの高さがまったく合っていません。仕方なく、前傾姿勢で調理を始めたのですが、これが非常にやりにくい。
また、一般的なカセットコンロと、家で使っている大きめのナベを持ち込みましたが、こちらも実際、ものすごく使い勝手が悪く、積み重ねてスペースを確保することもできません。
必然的に、テーブル周りは、ごちゃごちゃした状態になっていきます。
気がつくと、辺りは薄っすらと暗くなっていました。そして、あっという間に夜を迎えてしまったのです。
数々の失敗と、優しい先輩キャンパーさんたち
そんな状態でも、何とか調理は進んでいきます。妻は、僕の好物である豚汁の準備を始めていました。
ありがたい。とても楽しみです。
ところが、作っている途中で風がふきはじめ、さらに雨もパラパラ降ってきました。キッチンには屋根がなく、雨ざらし状態に。
これは困った・・・。
すると妻は、自分がネットで購入したタープがあることを思い出したのか、その場で開封します。
テントと同様、初めて開けたタープも説明書だけでは組み立て方が分からず、四苦八苦。
あぁどうしよう・・・頭を抱えている暇など無いのですが・・・。
見るに見かねたのか、お隣のベテランご夫婦キャンパーさんが「大丈夫?」と声をかけてきてくれました。
「いや・・・ヤバイです・・・」と、即答する私たち。
優しいお二人にアドバイスをいただいて、何とかタープを設置することができました。・・・が、また事件は発生します――。
タープの下、妻が豚汁づくりを再開している間に、肉を焼く焚き火の準備にとりかかる私。
一方で、天気はますます悪化していきます。
完成した豚汁は、雨にあたらないようテントの全室に置きました。次に、頃合いとなった焚き火で、肉を焼いていきます。
しかし、よく焼けません・・・。
風で炎が流れてしまい、うまく肉に当たっていなかったのです。
また、使った薪が、主に焚き付けに使われる針葉樹だったため直ぐに燃え尽きてしまい、炎が安定しないことが原因でした。
時間をかけて、ようやく焼き上がったお肉。3、4切れほどを口に運びます。到着してやっと、体内に食べ物が入った・・・と感動したのもつかの間。
ドドドドドド――。
滝のような雨が降ってきました。風も強烈で、ほぼ嵐です!もうほんと、勘弁してください・・・。
先ほど、お隣さんにアドバイスいただいて設置したタープが、崩壊していきます。細いポール、付属品の頼りないガイドロープ、そして下まで刺さっていないペグ。
当たり前といえば、当たり前の結果ですが・・・。即座に撤収します。
追い打ちをかけるように、テントの方から「ガッシャーン」という激しい効果音が鳴り響きました。
振り返った私は、思わず声を上げてしまいます。
「ぬうぁぁぁぁぁっっっっーーーーーー!」
テントの前室に置いてあった僕の大好物の豚汁が、全てひっくり返っていました。しかもテントが半分、風であおられ宙に浮いています。
せっかく作った豚汁でしたが、その片付けは妻に任せ、私はテントを必死に抑えました。頼りないゴムハンマーで、外れてしまったペグをポムポムポムポム。
しかし――私たちのサイトは、もう手がつけられない状態になっていました。私たちは為す術もなく、ただ呆然と立ち尽くしていました。
そこへ再び、お隣のベテラン夫婦キャンパーさんと、反対側のお隣さんの若いキャンパーさんが、
「大丈夫ですか?」と、声をかけてくださったのです。
ありがたい・・・。
このときも「いや・・・ヤバイです・・・」と即答しました。そもそも、私たちのテントの張り方がまずかったようです。「このテントは、ここにこうやって」と、優しくアドバイスをしてくれる先輩キャンパーさんたち。
さらに「このペグでは難しいです」と、若いキャンパーさんがスノーピークのソリッドステーク(鍛造ペグ)と、同じくスノーピークのペグハンマーを持ってきてくれました。
「キン、キン、キン」と金属音を鳴らしながら、テントの4隅をペグダウン。みるみるペグが刺さっていき、私たちのテントは安定を取り戻しました。
さすがにペグはお借りできなかったのですが、頑丈なペグで足がかりをつくってもらえたため、ハンマーをお借りし、代わりに付属のアルミペグを打ち下ろしていきます。
ペグは曲がりながらも、何とか下まで刺すことができたのでした。
波乱の一夜が明けて・・・
何とか落ち着いたので、残っていた薪をすべて焚き火に放り込みます。風もあり針葉樹の薪とあって、たちまち大きな炎に。煙も立ち込めていきます。
こちらがその時の写真↓
立ち上がる炎を見つめながら、怒涛の初シャンプを振り返る・・・なんて時間も与えられません。
炎の勢いはどんどん増していきます。
そして、お世話になった隣の若い先輩キャンパーさんのサイトへ、焚き火の煙の大部分が流れていってしまったのです。
私たちはどうしたらいいのか分からず、ただ薪が燃え尽きるのを待つしかありませんでした。
しかし、若いキャンパーさんは、何もおっしゃってはきません。本当に、優しい方々でした。
間違いなく煙たかったはずです。たいへん申し訳ありませんでした。
食事も満足に取れないまま、消灯時間の22時を迎えた私たち。
この日はこれで、床につくことにしました。あいかわらず風雨が止む様子はありません。
雨が当たるたび、テント内はバサバサ音が鳴り響き、私は全く寝付けず・・・。
テントを手で抑えながら「これ、寝れるのか?」と不安でしたが、疲れのせいでしょう、いつの間にか眠りについていました。
翌朝、目が覚めると、天気は回復しています。
よかった・・・ホッと胸をなでおろしました。
まずは、両隣のキャンパーさんたちのもとを訪れます。妻が持参していたカルディのお菓子を配って、お礼を伝えました。
彼らのおかげで、本当に救われました。
挨拶を終えた後、朝ごはんを作ります。
2日目にして、やっと落ち着いた食事をした気がしました。美味しい・・・。
朝食を終えた私たちは、撤収の準備に。疲れからか、片付けもままならず、とにかく車に荷物を押し込んでいきます。そして行きと同様、パンパンに詰まった車でチェックアウトしたのでした。
「もっとキャンプの知識を身につけて、経験値を上げよう。そしていつの日か、お世話になったキャンパーさんたちのように、私も困っている方を助けてあげよう」帰りの車内、私はそう強く、心に刻んだのでした。
そうだ、今度の休みは、スノーピークに行ってみよう――。
まとめ
私たちの初キャンプレポート、いかがでしたでしょうか。
今回の失敗とその解決策を、下記の通りまとめてみました。ぜひご参考ください。
■ テントやタープは、自宅などで事前に一度広げ、練習しておく。
■ キャンプ場の情報も、口コミなどを事前に調べておき、それに沿った道具を準備する。
■ 道具選びは、アウトドア専門店で実際に触れ、分からないことは店員さんに聞いてみる。
■ 現地では、迷惑にならない範囲で、周りの先輩キャンパーさんを頼ってみる。
■ 山の天候は変わりやすいので、甘く見ない。雨天を想定した準備など、抜かり無く。
■ 初心者は、グランピングから入るのも一つの手。
■ 失敗してもいいので、とにかく楽しんで経験値を上げる!
皆さんも、素敵なキャンプを、存分に楽しんでくださいね。
ご紹介アイテム
\\ 今回ご紹介したアイテムはこちら //
■コールマン(Coleman)テントBCクロスドーム270グリーン¥19,173【アマゾン】
※写真アマゾンより引用
■ サイズ:4人〜5人用
■ シーズン:オールシーズン
■ 価格:¥19,173
■ メーカー:Coleman
【この記事を書いている人】
&Green公式ライター
サラリーマンをする傍ら、思いつきで始めたキャンプにのめり込む。
様々なキャンプ場に足を運び、その情報や光景を友人とYoutubeで発信。