オレンジ色はビタミンカラーとも呼ばれ、元気をもらえるポジティブな要素をもつ色です。「お花で気分を変えよう!花の歴史と色彩心理」第1回目の今回は、そんな魅力的なオレンジ色のお花を持つ【キバナコスモス】とその歴史、オレンジ色の心理効果についてお伝えしていきます。シリーズは全8回です。【花】の歴史や育て方、そのお花の【色】の心理効果を紹介します。ぜひご自身のライフスタイルにお役立て下さい。
キバナコスモスをご存知ですか?
初秋に公園や河原に咲いているオレンジ色のお花といえば、わかる方も多いかもしれません。白やピンク色のコスモスと似ていますが、正式には品種は別に分類されていて、キバナコスモスと呼ばれています。白やピンク系のコスモスの優しい雰囲気とはちがって、キバナコスモスにはワイルドでキリッとしたイメージがあります。キバナコスモスは、オレンジ色の品種が多いのですが、黄色味が強い品種や赤紅色の品種もあります。
キバナコスモスの歴史
日本の風景の中に溶け込んでいるキバナコスモス。群生するキバナコスモス畑が観光名所になっていることもあるほどです。キバナコスモスはいつ頃から日本にあった花なのでしょうか?
メキシコが原産のキバナコスモスは、大正時代の初め頃に日本に輸入された記録が残っています。すでに明治時代初期に日本に入ってきた【赤】【ピンク】【白】の花を持つコスモスと区別して、キバナコスモスと呼ばれることになりました。当初は、オレンジ色のキバナコスモスしかありませんでしたが、日本で品種改良され、濃い赤紅色のキバナコスモスも生まれました。
また、キバナコスモスではないコスモスにも薄いレモン色の品種が誕生します。今は、レモン色のコスモスもあれば、赤みの強いキバナコスモスもあるので、色だけでどちらか見分けるのはむずかしくなっています。
キバナコスモスは一年草
花には、同じ株で毎年花を咲かせてくれる宿根草とその年だけで枯れて翌年にはまた種から芽を出す一年草があります。キバナコスモスは一年草にあたります。
例えばサルビアのように、日本の気候が合わなくて本来は宿根草の花が日本では一年草に分類されることもありますが、キバナコスモスは原産地のメキシコでも一年草に分類されています。つまり、キバナコスモスは寒さを和らげるような工夫をしても、冬を越すのは難しい花です。
その代わり、種から花を咲かせることは誰でも簡単にできます。5月ごろ種をまき、丈夫な芽を残す間引きの作業しながら育てると、6月ごろから10月ごろまで長く花を咲かせてくれます。
種まきが遅くなった場合も8月ごろまでに種をまけば、お花を咲かせることができます。その場合には、開花の時期が9月〜10月ぐらいと短めになりますが、十分花を楽しめるでしょう。
キバナコスモスの早生種と晩生種とは?
種を購入するのであれば【晩生種】【早生種】の分類にも気をつけましょう。【晩生(ばんせい)】は「おくて」とも読み、種をまいてから花が咲くまでに時間がかかることを指します。【早生(そうせい)】は「わせ」とも読み、種をまいてからお花を咲かせるまでが短い品種です。
特に気をつけたいのは、8月過ぎの遅い時期に晩生種の種をまかないようにすることです。生長に時間がかかっている間に寒い季節が来ると、せっかく種をまいてもお花を咲かせてくれないこともあります。
一方、本当は遅い時期に種まきする早生種を早めにまいても花は咲きます。ただ早く育つので、草丈が伸びて扱いにくくなることもあります。種まきをしたい時期に合わせたタイプの種を選ぶことが大切です。また、種まきには時期に合わないときには、鉢植えや苗のキバナコスモスもおすすめです。
キバナコスモスの育て方
自然に咲いている姿が見られるキバナコスモスですが、手もかからず長く咲くので、ガーデニングでも人気の花です。種からもよく育ちますが、苗も売られています。庭に植える場合には、雨降りの雨だけで水やりの必要もなく、肥料も不要です。土質も選ばず、やせた土地に植えても花をよく咲かせてくれます。庭に植えた場合には、こぼれ種と言われる自然にこぼれ落ちた種で翌年も芽を出して花を咲かせてくれます。鉢植えの場合は、なかなかこぼれ種での落ちる余地がないので、5月ごろに種子を蒔きましょう。
キバナコスモスの花言葉とオレンジ色の心理効果
キバナコスモスの花言葉
キバナコスモスの花言葉は「野性的な美しさ」です。キバナコスモスの燃えるようなオレンジ色にぴったりの花言葉です。印象的なオレンジ色は、色彩心理の観点からみると、どんな効果があるのでしょうか?
オレンジ色の心理効果
オレンジ色は、赤の【活動性】と黄色の【明るさ】を合わせもった色です。色には寒さを感じる【寒色】と暖かさを感じる【暖色】があります。オレンジ色は暖色で「明るさ」「楽しさ」「太陽」などをイメージさせる色で、精神的に落ち込んでいるときなどにポジティブに方向転換してくれる効果のある色です。また、オレンジ色は暖かさを感じさせる暖色なので秋冬に多く起用されています。夏から秋に変わる衣替えのタイミングでインテリアや小物をオレンジ色に変えてみることでお部屋に暖かさが感じられ明るく前向きな気持ちになれることでしょう。
オレンジ色を好む人
オレンジ色を好む人は、社交的で行動力のある明るく楽しい人です。仲間思いで気配り上手なことから周囲からの人気も高い人です。そのため自分の気持ちを抑えて相手のために無理をしすぎて疲れてしまうことがあるかもしれません。本来、感情を解き放つのがとても上手な人です。頑張りすぎに注意をすることと、疲れたときには“自然体”を意識して過ごしましょう。感傷的になりすぎると食べすぎにも注意が必要です。
■記事監修(色の心理効果):milieu
■参考著書:色と性格の心理学
おわりに
今回はオレンジ色のお花【キバナコスモス】についてと、【オレンジ色の心理】について紹介しました。この機会に、お花と色彩心理から”自分らしく暮らす”ライフスタイルを見つけてみてはいかがでしょうか。次回は、第2回:お花で気分を変えよう!花の歴史と色彩心理は【冬を彩るサザンカの白】です。日本の冬を彩る代表的な花、「サザンカ」の魅力や由来、冬にピッタリの【白】色の心理をご紹介します。
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