「コーヒーの木」は、手軽に買えるインテリアグリーンとして人気で、100円ショップでも売られています。艶のある濃いグリーンの葉が美しく、100円で売られていたら、思わず欲しくなってしまいますよね。しかし、コーヒーの木を元気な状態で育てるのは意外とむずかしいのです。
今回は、そんなコーヒーの木を元気に育てるコツや、コーヒーの木にまつわる豆知識をご紹介します。
“コーヒーの木”って、どんな植物?
あらためて、コーヒーの木がどんな植物なのかご案内します。気になるのは、私たちが飲む「コーヒー」とのつながりではないでしょうか?結論からお伝えすると、コーヒーの木は、飲むコーヒーとまったく同じものです。
コーヒーの木は、アカネ科コーヒーノキ属に分類される常緑低木。観葉植物として流通しているものは、他の品種よりも小型のアラビカ種という品種が多いようです。つまり、インテリアグリーンとして購入したコーヒーの木からも上手に育てれば、コーヒー豆を収穫できるというわけです。
コーヒーが大好きな愛好家の方のなかには、自分で育てたコーヒー豆を焙煎しコーヒーを淹れるために、コーヒーの木を育てている方もいるようです。
風水的に見た“コーヒーの木”の魅力とは?
コーヒー好きからも人気を集めるコーヒーの木は、別の角度から見ても好評を博しています。
コーヒーの木は、風水的に見ても、よいものとされているのです。コーヒーの木をよく見ると、葉が少し下を向いています。風水では、この下向きの葉は、陰の気を持つとされ、静寂のエネルギーがあると言われます。そのためコーヒーの木は気分を落ち着かせる効果があるとされているのです。
それを裏づけるかのように、コーヒーの木は 『一緒に休みましょう』という素敵な花言葉を持っています。東洋で発達した風水と西洋でさかんな花言葉。その両方ともが、コーヒーの木には人を落ち着かせ休ませてくれる力があるとしているのです。
見ためも美しいコーヒーの木ですが、風水や花言葉から見ても、とてもインテリアに向いていることがわかります。
コーヒーの木の基本的な育て方
①.置き場所は、日当たりが良いところに
コーヒーの木の原産地は、ブラジル、エチオピア、ジャマイカなど。当然ながら、コーヒー豆の原産地と同じです。コーヒーの木は、原産地と同じ暑いところを好みます。例えば、ブラジルは冬でも20℃を下回ることがないほど暖かい気候です。コーヒーの木にとって、日本の冬は寒すぎるので、冬は特に室内に置いた方が良いでしょう。
しかし、ずっと部屋の中に置いておけばよいわけではありません。コーヒーの木の元気がなくなる原因の一つに、室内で育ててしまうことがあるようです。コーヒーの木は、枯れるほど弱ってしまうことは少ないのですが、専門家から見ると育てるのがむずかしい植物なのだそう。一見、葉の緑があざやかに見えても、下を向きすぎていたり、咲くはずの花が咲かなかったり、ということがよくあります。
せっかくコーヒーの木を手に入れたら、もっと元気になってもらうため、冬以外は日向で育てるのがおすすめです。すでに室内で育てている場合には、急激な変化に弱いため、窓際で慣らし屋外やベランダへ…と少しずつ移動をさせるようにしてください。
②.水やりは、あげすぎに注意!
コーヒーの木の水やりは、土の表面が白っぽく乾いたら、鉢の底から流れ出すぐらいにたっぷり水やりをする、というやり方が最も合うようです。コーヒーの木が原産地に自生している場合をイメージすると、雨は毎日きまって降るわけではなく、降る時にはスコールのような大雨が降るはずです。
コーヒーの木には、土がいつもジメジメと湿っているよりは、乾いたり、充分に水が供給されたり、を繰り返す環境の方が合うようです。
植物は、意外と深くまで根を張っていて、その根の下の方まで水分を必要としています。乾きぎみというイメージから、水やりをするときの水の量まで控えてしまうと水やりの意味がなくなってしまいます。頻度を減らしても、水やりをする時にはたっぷりとやりましょう。
③.害虫対策
コーヒーの木には、葉に蜘蛛の巣のようなハダニという害虫がつくことがあります。また、アブラムシもつくことがあるようです。そんな時には水で洗い流してしまいましょう。室内に置いている場合も、一時的に外に出して、勢いよくシャワーの水をかけるとそれだけで駆除ができます。害虫の影響を受けないためには、こまめに観察し、早めに洗い流してしまうことが大切です。
コーヒーの木の花と実
コーヒーの木の花
コーヒーの木を育てていても、花は見たことがないという方もいるかもしれません。コーヒーの木には成木になってから花が咲く性質があります。観葉植物として売られている小さなコーヒーの木は幼木なので、花を咲かせることがないのです。
育てはじめてから約3年で花が咲くと言われますが、日当たりが良くないと咲かないままになってしまうことも多いようです。花を見るためには、日向で育て、根の生長に応じて鉢も大きなものに植え替えをしていく必要があります。コーヒーの木の花は、白く香りのよい小花で、濃いグリーンの葉とのコントラストがとても綺麗です。
コーヒーの木の実
コーヒーの木の花が咲いたら、次には実を見てみたいものです。栽培がうまくいけば、花の後に実がなります。花を咲かせるコツと同じで、日当たりが必要と言われています。コーヒーの木の実は、赤く色づくため「コーヒーチェリー」と呼ばれ、そのまま食べることもできるのだそう。なかなか味わうことのできないその味は、甘酸っぱく美味しい、と言われています。市場に出回ることもほとんどないので、自分で育てて味わってみたくなりますね。
自家焙煎でコーヒーを淹れる方法
コーヒーの木に花が咲いて赤い実がなるまでも、3年以上という長い道のりがあるのですが、赤い実から、一杯のコーヒーを淹れるまでもさらに手間がかかります。その手順をご紹介します。
- 赤い実を収穫して、様子を見ながら一ヶ月ほど天日干しにして乾燥させる
- 乾燥して茶色くなった実の皮をむく。
- フライパンや七輪などで、焦げないように気をつけながら好みの深さまで、コーヒーの実を煎る(=市販の挽く前のコーヒー豆の状態)。
- できあがった「コーヒー豆」を挽く。
- コーヒーを淹れる。
試した方の体験記によれば、2.の皮をむく作業もなかなかむけずに大変だったり、3.の煎る作業には40分ぐらいかかるのだそうです。こんなに苦労しても、3.の煎る作業で焦がしてしまうと苦いコーヒーになってしまうそうです。普段何気なく飲んでいるコーヒーにも、ものすごく手間がかかっているのですね。
おわりに
気軽に買える“コーヒーの木”。花や実をつけてコーヒーになるまでは、なかなか大変なことがわかりました。
でも、育てたコーヒーの木の実からコーヒーを淹れることは決して不可能なことではなく、実践している方も意外とたくさんいます。むずかしいからこそやりがいもあり、達成感も味わえそうです。花が咲き、実がなるまでは遠い道のりになりますが、緑の葉だけのコーヒーの木も充分に美しく、風水的にもよい意味を持っています。
花や実を見られる日を心待ちにしながら、コーヒーの木を育ててみると暮らしに潤いが生まれそうです。
【 この記事を書いている人 】
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