お花で気分を変えよう!花の歴史と色彩心理:第6回【シクラメンの印象的なマゼンタ】

暮らし

シクラメンは日本人にとって、冬を代表するような花ではないでしょうか? 白、ピンク、紫、赤の他、2色のグラデーションの花色や、花びらがフリル状になったものなど、豊富な種類が揃っています。

シクラメンはどんな花?


寒い季節が似合うイメージがありますが、シクラメンの原産地は北アフリカから中近東、ヨーロッパの地中海沿岸部など。意外にも、寒いところの花というわけではありません。シクラメンの原種は、比較的温暖で湿度が低い土地で、低木の下や岩場に群生していて、室内で大切にされている鉢植えのシクラメンとは趣きがだいぶ異なります。

日本で流通しているシクラメンは、春に咲く原種のシクラメン・ペルシカムを品種改良したものです。シクラメンの園芸品種の歴史は古く、大正末期に始まっています。当初はサーモンピンクが多かった花色も、ブルー系、ホワイト系、ピンク系、模様のあるものと多様になりました。今では年間2000万鉢ものシクラメンが市場に出回っています。

シクラメンの素敵な和名

シクラメンは、名前に含まれる「シク」の音が「死、苦」を連想させてしまうため、お見舞いの花にはふさわしくないとされています。今では、外来語も日本中にあふれていて、気にする人は少ないと思いますが、シクラメンは、そんな汚名を返上するような素敵な別名を持っています。植物学者の牧野富太郎氏は、シクラメンの花の姿をかがり火に見立てた「篝火花(カガリビバナ)」という美しい和名をつけているのです。

シクラメンが展示された会場で、大正三大美人としても有名な歌人、九条武子が「まるでかがり火のよう」という感想を話しているのを聞いた牧野氏がヒントを得て、この名前をつけたと言われています。今はシクラメンという名前が広く普及していますが、「篝火花」の流れをくむ「篝火草(カガリビソウ)」という名前は、今も俳句の四月の季語として使われています。

洋名シクラメンの由来

日本語では、よくないイメージを持たれてしまうこともあった「シクラメン」という名前。実は、この名前には意外な由来があります。シクラメンは英語表記をすると「cyclamen」。英語が好きな人なら、cycle(サイクル、円、輪)という単語に似ていることに気がつくかもしれません。シクラメンは、花が咲いた後に種ができると、残された茎の部分はクルクルとらせん状に巻く性質があります。その姿から「シクラメン」という名前がつけられたのだそう。美しい花ではなく、茎から名前がついたのがおもしろいですね。それだけクルクルになった茎にインパクトがあったのかもしれません。

マゼンタのシクラメンの魅力

豊富にある色の中でも、ひときわ目を引くのがマゼンタのシクラメン。お花屋さんによるシクラメンの販売数ランキングでも、マゼンタ色のシクラメンは2位にランクインしていました。山地や岩場に自生していた原種のシクラメンは紫色や白色が多く、鮮やかなマゼンタ色は生産者の方々の努力により誕生しました。

シクラメンの花言葉と色彩心理

シクラメンの花言葉

シクラメン全般の花言葉は、「遠慮」「気後れ」「内気」「はにかみ」。シクラメンの下を向いて咲く姿が、恥ずかしがっているように見えたのかもしれません。マゼンタに限定した花言葉は決まっていませんが、ピンク色のシクラメンの花言葉は「憧れ」「内気」「はにかみ」となっています。

マゼンタ色の心理効果

マゼンタ色は、高い精神性と直感力を備えた紫と、情熱的な赤が合わさった色です。鋭く磨かれた感性を与える為、自信と積極性をもってポジティブに歩めます。とくに、女性的な魅力を引き出す効果も高いので、小物やアクセサリーなどのワンポイントに着用していただくと恋愛面でも効果を発揮してくれる色です。また、自分を高めたい時、ターニングポイントの節目などに気になりだす色でもあります。

マゼンタ色を好む人

マゼンタ色を好む人は、美意識が高く、おしゃれが好きな頭の良い人です。哲学や音楽、美術などの芸術面に関心が高く感受性が豊かな人です。マゼンタ色を好む人は、芸術的、文化的な職業に向いています。備わっている芸術性にすぐれた側面を活かしながら、芸術家や同じ感覚の持ち主と自分と比較をせずに自信を持ち関わることで、創造面で大きな力を発揮していきます。

また、マゼンタ色を好む人は、指導力に優れ包容力の持ち主です。何事にも情熱をもち自分を犠牲にしてでも他人に深い愛情を注ぐことの出来る人です。反面、何かを実現しようとする意志の強さと、その深い愛情を無意識に相手にも求めてしまうところがあります。そんな時は、まず自分を癒やすことに意識を向けて行動していくことで実現していくでしょう。

記事監修(色の心理効果):milieu
参考著書:色と性格の心理学

おわりに

今回は【シクラメン】と、【マゼンタの心理】について紹介しました。この機会に、お花と色彩心理から”自分らしく暮らす”ライフスタイルを見つけてみてはいかがでしょうか。次回は、第7回:お花で気分を変えよう!花の歴史と色彩心理【レアでお洒落なバラの茶色】です。日本人にとって冬を代表するようなお花【バラ】と【茶色】を紹介していきます。

↓↓今回参考にした著書はコチラ↓↓

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