知っておくべき登山の服装「レイヤリング」の基本とは?これで服装には困らない!

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登山の服装「レイヤリング」の基本とは?これで服装には困らない!

登山は標高や気温、天気などさまざまな条件に左右されるため、体温調節が非常に重要になります。そこで意識したいことが、「レイヤリング」つまり「重ね着」です。

レイヤリングはこれから登山を始めたい方や、登山ビギナーの方が覚えておきたい基礎知識です。本記事では、レイヤリングの基本と服装選びで意識したいポイントについて解説していきます!ぜひ、参考にしてください。

レイヤリングの必要性

「レイヤリング」は登山の服装に対する考え方で、分かりやすく表現すると「重ね着」のことです。登山は標高や天気などさまざまな条件で気温が変化します。また外部環境だけでなく、登山中は運動しているので体温も変化します。重ね着をしていれば、その時のコンディションに合わせて服を脱ぎ着することで、体温調節が可能です。このように、環境に合わせて必要なウェアを重ね着し、体温調節を行う考え方がレイヤリングです。

レイヤリングに使用する基本の3アイテム

レイヤリングの基本的な着方は、ベースレイヤーミドルレイヤーアウターレイヤーの3種類を順に、重ね着します。ここからは、それぞれの特徴と選び方について解説していきます。

直接肌にふれるベースレイヤー

ベースレイヤーとは、直接肌に接する肌着のことで、汗を吸収して発散する効果が期待できる吸収速乾性に優れた素材を選ぶことが基本です。水分である汗が乾燥されなければ、不快である上に、体を冷やしてしまい低体温症につながる恐れもあります。このように、水分を吸収し肌をドライに保つ状態が大切なので、ベースレイヤーを選ぶ際には綿素材などは避けて、機能性の高い化繊素材を選びましょう。

しかし例外として、メリノウールはおすすめです。羊毛であるメリノウールは綿より速乾性が高く、通気性と保温性にも優れています。殺菌、防臭作用もあるのでベースレイヤーとしても最適です。

また、肌着として着用することから着心地も意識したいポイントです。サイズが合っていないと、擦れる場合もあります。必ず自分の体に合ったサイズのウェアを着用するようにしましょう。

保温や吸湿速乾が重要なミドルレイヤー

ミドルレイヤーは、ベースレイヤーとアウターレイヤーの間に着る中間着のことです。基本的には保温を目的としていますが、どのような山に登るのかやどのシーズンに登るかによって使い方が異なります。大きく3種類に分けられ、それぞれ素材によって機能性が変わるので、使用する環境に合ったものを選びましょう。

フリース

フリースはポリエステルなどの化繊でできており、ストレッチ性も高く動きやすいのが特徴です。保温性と透湿性が適度に備わっているので、運動量が多い場合でも快適に着用できます。綿素材は吸水性もあり、通気性も高いことから日常着によく使用されますが、乾きが遅いので登山にはおすすめできません。

ソフトシェル

ストレッチ性、防風性、撥水性を備えているのが、ソフトシェルです。風や雨風から身を守ってくれるので、アウターとしても活躍します。一方で保温性には期待できません。

インサレーション

ミドルレイヤーの保温着として活躍してくれます。保温を目的としているので、基本的には中綿の入ったウェアとなります。

中綿でもダウンと化繊が使用されたものがあります。ダウンは暖かくコンパクトに収まりますが、水濡れに弱いことと保温性が高いことから、行動中には暑すぎるので向いていません。ダウンは基本的に休憩時に体を冷やさない目的で使用しましょう。

一方で化繊は、保温性にも優れており水濡れにも強いので行動着として活躍します。最新のテクノロジーで開発された、保温性と通気性のバランスも良く、ストレッチ性も高い化繊素材も出てきています。

雨風から身を守るアウターレイヤー

1番外側に着用するもので、防風性や防水性を備えており、雨風から体を守ってくれるウェアです。さまざまな素材のウェアがありますが、冬以外に登山をする場合であれば、レインウェアを使用しましょう。夏場は暑すぎるのでウインドシェルなどを着用するのが良いでしょう。

アウター選びの注意点は、サイズ感です。1番上に着用することから、大きめのサイズを購入する方が多いのですが、大きいと隙間から雨風が侵入してしまいます。

反対に小さいと動きにくいので、試着時に動きやすいか確認してから購入しましょう。

ボトムスでも同じ

ボトムスでもレイヤリングは必要です。寒くない時期であればトレッキングパンツのみで問題ありませんが、冬場にはタイツを履き、トレッキングパンツ、アウターパンツと順にレイヤリングします。タイツは脱ぎ着できないので、ボトムスの場合はアウターパンツで体温調節を行います。

レイヤリングで気を付けたいこと

ここまで、登山におけるレイヤリングの重要性を解説してきましたが、レイヤリングの際に注意しておきたいことがあるので、紹介していきます。

必ず3レイヤーである必要はない

暑ければ3レイヤー着る必要はありません。レイヤリングの最大の目的は、肌を濡らしたままにしないことと温度を保つことです。この目的が達成されるのであれば、1レイヤー、2レイヤーでも良いのです。その時々の環境に合わせて、うまく体温調節しましょう。

重ね着すれば良いわけではない

レイヤリングは、ベースレイヤー、ミドルレイヤー、アウターレイヤーそれぞれの特徴と機能を理解して、重ね着する考え方です。そのため何枚も重ね着すれば良いというわけではありません。6枚も7枚も重ね着したところで、効果的に保温されるとは限らないのです。たくさん着込むことで反対に動きにくくなり、滑落などの事故につながる可能性もあります。

まとめ

【レイヤリングの基本を押さえて、快適に登山を楽しもう】いかがだったでしょうか。本記事では、レイヤリングの基本と服装選びのポイントについて解説してきました。どんな山であってもレイヤリングの考え方は重要です。基本をしっかりと押さえ、快適に登山を楽しみましょう!

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