お花で気分を変えよう!花の歴史と色彩心理:第2回【冬を彩るサザンカの白】

暮らし

「お花で気分を変えよう!花の歴史と色彩心理」第2回目の今回は、日本の冬を彩る代表的な花、サザンカ。そんな白色の花を持つ【サザンカ】と歴史、白色心理効果についてお伝えしていきます。

今ではピンク色や赤色もめずらしくありませんが、原種の色である白も冬景色に映えて魅力的です。昔から親しまれているサザンカの魅力をあらためてご紹介していきます。

シリーズは全8回です。【花】の歴史や育て方、その花の【色】の心理効果を紹介します。ぜひ自身のライフスタイルにお役立て下さい。

童謡「たきび」とサザンカ

サザンカは、童謡「たきび」に登場する花で、多くの人にその名を知られる存在です。あらためて「たきび」の歌詞の中のサザンカに触れた部分を引用します。

『 さざんか さざんか さいたみち
たきびだ たきびだ おちばたき 』
引用:童謡「たきび」歌詞より

この誰もが知っている童謡「たきび」は昭和16年12月にNHKのラジオ番組で発表された曲です。放送日の前日に太平洋戦争が勃発したため「焚き火は敵機の攻撃目標になる」と軍からの批判があり、NHKはその後の放送を取りやめざるをえなかったそうです。

「たきび」の歌が広く親しまれるようになるのは、戦争が終わってからのこと。まだ、焚き火やその後の歌詞に出てくる“しもやけ”が身近にあった昭和の風景が偲ばれます。

「たきび」の歌詞に出てくる「かきね」はきっとサザンカの生け垣だったのでしょう。歌詞からはサザンカの花の色まではわかりませんが、想像をめぐらせるのも楽しいものです。作詞をした巽聖歌の住んでいた東京都中野区上高田には、広いお屋敷の生け垣がありました。巽聖歌がこの地を散歩をしていて詞が生まれたと伝えられ、この地には「たきび」の歌碑が据えられています。

冬を彩るサザンカ

サザンカは、花が少なくなる冬の時期を彩る花として、親しまれてきました。日本の西南部に自生していたサザンカは花の色は白く花びらが一重の花でした。江戸時代以降、品種改良されて多くの品種が産み出されたのだそうです。今では、サザンカの花の色には白だけでなく、赤やピンクもあり花びらの重なった八重咲きの花もよく見かけるようになりました。めずらしいものでは、赤やピンクに白の混ざった斑入りと呼ばれるマーブル模様の花もあります。

サザンカの名前の由来

サザンカは、漢字では「山茶花」と書きます。「山茶花」は中国語では“ツバキの花”という意味ですが、日本ではなぜかツバキによく似たサザンカの名前として広まっています。

もし、中国の人に「サザンカ」のことを伝えたいときには、「山茶花」ではなく「茶梅花」という言葉が「サザンカ」にあたります。日本では「山茶花」を音読みにした「サンサカ」と呼んでいたものが、「サザンカ」に変化したと言われています。たしかに「サザンカ」の方が言いやすいですね。

「サザンカ」は中国語が由来ですが、日本で生まれた名前なのです。「サザンカ」という名前は、欧米にもそのまま伝わっています。英語表記ではSazanquaとなります。日本語がそのまま通じるのは嬉しいことですね。

白いサザンカの花言葉と色彩心理

白いサザンカの花言葉

サザンカ全般の花言葉は、「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」です。冬の時期に花を咲かせるサザンカにぴったりのことばですね。白いサザンカの花言葉は、「愛嬌」「あなたは私の愛を退ける」です。見る人のとらえ方によって、どんな風にも見える「白」という色ならではの花言葉ですね。色彩心理の世界では、白はどんな効果があると言われているのでしょうか?

白色の心理効果

白色は、《信頼》《純白》《清潔》などのイメージを伝える色です。白色は色味をもたないことから、【浄化】の色と言われています日本では古来より身を清めるために白を用いることが多く、雑念を払い絶望的な気分を和らげ精神や思考を統一してくれる色です。

白色は【リセット】を意味し、「白紙にもどす」という言葉のように、物事や感情をリセットする効果があります。再スタートしたい時、気持ちに区切りをつけたい時などにとても効果的な色です。最近なんとなく【白】が気になるという方は再スタートの時期なのかもしれません。また、白色には空間を広く感じさせる効果も高いため、視野が狭くなりがちの時には思考を広げて物事を俯瞰で捉える効果をも高めてくれます。

反対に冷たさや孤独を感じやすい色でもあるため、寂しい時や人恋しい時には不向きの色です。

白色を好む人

白色を好む人は、努力家で真面目な人です。高い理想を持ち一人を好みます。自由を求めている人なので束縛を非常に嫌い、シンプルな空間、シンプルな暮らし、シンプルな服装を好みます。白色を好む人は美意識が高く才能に溢れた完璧主義です。自分の理想に近づけるように努力を惜しみません。そのため、人に厳しい一面を与えてしまうことがあるかもしれません。また、白色は【可能性】を象徴する色です。穏やかな性格で他人の気持ちにも敏感なので、求められた自分を演出する力にとても長けています。お芝居や演出を志す人に向いている色です。

■記事監修(色の心理効果):milieu
■参考著書:色と性格の心理学

おわりに

今回は白色のお花【サザンカ】と、【白色の心理】についてご紹介しました。この機会に、お花と色彩心理から”自分らしく暮らす”ライフスタイルを見つけてみてはいかがでしょうか。次回は、第3回:お花で気分を変えよう!花の歴史と色彩心理【ポインセチアの深い赤です。クリスマスシーズンに欠かせないポインセチア】と【赤色】のクリスマスとの深い関係性もお伝えしていきます。

↓↓今回参考にした著書はコチラ↓↓

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