【ONE SCENE】山とトレイルにまつわる物語
 vol.05

アウトドア

私は東京に住むデザイナー兼イラストレーターです。このコラムでは、山やトレイルに行けない時間に、私が描いた1枚の絵(1シーン)とともに、その絵にまつわる物語を少しだけお話しさせていただこうと思っています。

「東京低山のお馬鹿エピソード」

五色ヶ原山荘で働いていたにも関わらず、その経験は全く活かされていない東京低山のお話。

大学生の頃、仲よかった友人と山でも行こうかと、少し肌寒くなった秋頃 東京近郊の陣馬山へ行くことになりました。当時私は今は廃盤となったYAMAHAのSR400という単気筒にカッコつけて乗っておりましたが(スカチューンし損ねた中途半端なカスタムカーでした)中野に住んでいた私は電車の方が疲れなくて良いかなと、この日は電車で向かうことに。

学生時代の朝は基本遅く、この日も寝坊して行く行かないみたいになりましたがとりあえず向かうことに。藤野駅についたのは午後。バスを使わず徒歩で登山口へ向かいます。ただ東京の山を舐めていたのか、登山口に到着したのは15時頃だったと思います。普通なら下山の時間ですよね。ここでまた登るか迷いますが、折角来たし登るかとおバカな判断をします。

ちなみに装備はモンベルのインナーダウンをアウターとして使用、ネックウォーマー、ザックではなくpatagoniaのウエストポーチな感じの装備。足元はスニーカー。ヘッドライトも行動食もレインウェア、もちろんトレッキングポールなどありません。

当時は携帯などなく、地図も持たず、コースの案内だけが頼り。時間もおおよそしかわからず、そんな中登れば結果は見えておりまして。若いのでそれなりに力で登って行くのですが、頂上手前の見晴らしの良いところで既に空はオレンジに。

気温も少し下がってきて、白い息を吐きながら登ります。

山頂に着いた頃には、日が沈む瞬間でした。

それなりに広い陣馬山の頂上はなかなか幻想的で綺麗だねーなんて呑気にいてましたが、頂上で日没でヘッドライトも明かりを何も持っていない状況で降り始めます。ここで判断が良かったのか悪かったのかわかりませんが、ピストンではなく別の道で降り始めます。

結果、和田峠の方に降りたのですが、下り始めると周りの木々でどんどん暗くなっていきます。バカな大学生二人はこの時はじめて焦り始めます。

ちょっとヤバくない?と。陣馬山なので道はしっかりあるのですが、

なんの装備も持っていなくどんどん暗くなり、景色がどんどん暗闇になっていきます。この時、コケることも恐れず、はじめてのトレイルランニングをしました。トレイルランニングなんて素敵なものじゃなく、焦っての必死のランニング。うっすら見える景色を頼り下山していきます。

なかなか森から抜けられなく、遭難?や、このまま山で一晩過ごす?など色々頭をよぎりながら完全に夜になってしばらくした頃、ようやく舗装道路に出て、二人でホッとしたのを覚えています。

舗装道路を下って行くとしばらくしたらバス停があり、最終便かな?ギリギリ間に合って帰路に着いたのを覚えています。

ヒマラヤ、北アルプス、八ヶ岳でもなく 東京の低山で起こった本当におバカな無知なお山の出来事でした。今はYAMAPや携帯や様々なツールがあるので、大丈夫だと思いますが、山をなめちゃいけないですね。

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