&Green登山塾 :「登山を始めたいけど何から始めたら良いのか分からない」という方に向けて、キャラクターを使用しながら山の正しい知識と方法をわかりやすく解説しています。
登山に必要な知識を理解して知っておくべき大切な事を学ぼう!というコーナ
谷尾くん:山登り初心者の大学生。活発で好奇心旺盛。山頂で朝日を眺めることや野山で寝泊まりすることが密かな夢。体力には自信がある。
柏木さん:山登り初心者の大学生。谷尾くんと幼馴染で同級生。体を動かす事が大好き。
いつか北アルプスに登りたいと思っているけど不安。実は少し高所恐怖症。
山野先生:二人に山のことを教える先生。誰でも安全に楽しく山登りができる世の中を創ることを目指して日々奮闘中!好きな山は赤岳。趣味は下山後にビールを飲むこと。
仙人:肝心なときに登場する山の達人。山野先生のかつての師匠。&Gr
最終回「山を学ぼう②」
前回は、山登りのための成長をするには、実際に人に習うほうがいいという内容に落ち着いたのじゃったな。さて、今回はその部分をもう少し詳しく説明していくぞ!
うお、仙人!
おう、仙人じゃ。大事なときに登場するワシじゃ。まとめに入ってきたからな、がっつり出演させてもらうのじゃ〜
それじゃあ早速すすめていくぞ。ワシらもこうやってネットで山登りのことを書いておるがのう、これには意図があるんじゃよ。
意図?ですか?
そうなんじゃ。はじめての山登りはもちろん、ここで登山塾の記事を読んだみんなも、もしかすると初心者だけで山登りに行くかもしれないじゃろ。でも、それを良くない!とも言えなくなってきておる時代なんじゃ、、。
そこで、この記事じゃ。ワシは、こうしてネットで調べる登山者の方たちが実地で学べる登山者になれるように、こうして記事を通して伝えてきたのじゃ。
確かに(実地で学んだ)本当に勉強になることばかりでした!
私も!ネットだけの情報であのまま登っていたら・・と思うと少し怖いです。
この登山塾を含め、誰でも気軽に書くことができるネットの情報には、命を守るための情報にしては質が低いんじゃ。前と同じにもなるが、ネットの情報はすべてがそれっぽいのじゃ。これが一番の問題点じゃと思っておる。
つまりだのう、山の楽しさに目覚めた諸君らが、一番安全に山登りを上達させるには、100個記事を読むことよりも1回の山岳講習に行くことじゃ。講習は、山登りの初心者講習からテント泊、雪山、いろんな講習を山岳会やガイドさんたちが行ってくださる。だから安心じゃ。「登山 講習会」で検索すると山程でてくるぞ!
騙されたつもりで一度実践で学んでみよう!ということだね。
そうですね!僕はすぐにでも、ここで先生に教わったことを友人に知らせて一緒に参加してみたい!って思ってます。
私も!山についてもっと学びたいし、知りたい!
「安全第一で楽しむ」ためには、実際に資格を持った人や団体から実践で学ぶこと。何度も言うけどコレに尽きるんだよ!
でも、山岳会ってなんか「ガチ」っぽくて怖いです・・・。
はははっ!場所によっては、所属しなくても、会員じゃなくても講習は受けられるよ!印象と違うかもしれないけど、山岳会は山に登る仲間の集まりだけではない。安全登山の啓発や、地元の山の登山道整備、時には遭難者救助だってやることがあるんだ。それに今の時代、怒鳴られるなんてことはそうはないから安心して。
今回のまとめ:
・100個記事を読むことより、1回の山岳講習!!!
最後に
ここまで&Green登山塾をご覧頂いた皆様、ありがとうございます。そして、はじめまして、登山塾シリーズ著者の横田です。
登山ってものすごく楽しいですよね。最高です。私は最高の趣味だと思っています。
だからこそ、私と同じように山が好きな方には安全に登山を楽しんでもらいたい。そして面白く楽しいままの趣味であってほしいと思っております。ですが、どれだけ気をつけていても、自身や他人の遭難やそれに近いことを目の当たりにすることもあります。
そこで今回は、この&Green登山塾最終回の投稿として、実際に私が遭遇した遭難の内一つを啓発して紹介すると共に、少しだけ私の考えを述べさせていただきます。
ーーーーーーーーーーーー
ある夏山のシーズンのことです。私の隣にテントを張っていたSさんが、誇らしげにそして楽しそうに仲間であるHさんに語っていました。
それは、明日、明らかに無理がある行程で、ある難所へ行くということでした。そしてその話を聞いているHさんは、そのことを「凄い」と褒め称えていました。
私は隣で話を聞きながら、「凄い」などとは到底思えず、あまりの危険な行程に注意しようかと迷っていました。悩んだ末に結局声を掛けずに寝てしまいました。後に猛省しました。
翌日、遭難対策協議会の方と共に下山中にこんなことを耳にしました。ある方が、無理のある行程で難所へ向かう途中、行動不能に陥り救助されたそう。そのある方というのは、私の隣にテントを張っていたSさんです。
詳しい山域や日時、状態はここでは控えさせて頂きますが、こういうことが実際に起きるのです。幸いSさんが命を落とすことはありませんでしたが、救助がなければ危なかったことでしょう。
ーーーーーーーーーーー
近年、個人・法人に関わらず、多くのメディアが登山に関する情報を発信する時代になりました。紅葉がきれいな山や、楽しいスノートレッキング、気軽でかんたんに登れるアルプス等。とてもいいと思います。山の楽しさを共有することは素晴らしいことです。仲間が増えるのもとても嬉しいことです。ですが、その情報はきれいな部分のみにスポットを当てていることが多いです。私はそこに違和感を抱きました。
山には大きなリスクがあります。場合によっては、超えてはいけない一線を容易に超えてしまうような行き過ぎた娯楽とも呼ぶことができてしまう趣味なのです。
お前は何様だ!という感じではありますが、私には世の登山者の方にはこうした危険なことや汚いことも含めて登山を「楽しい」と感じるものであってほしいという願いがあります。
私は登山ガイドのような資格を持つ人間ではありませんし、そもそもインターネットで発信される情報に法的な責任を負うというのも難しい話です。そんな中、こうして登山の「楽しさ」を広める立場となったとき、私にできることを考え出した答えが、「登山を始めるために必要なこと=講習を受けること」このことを発信することでした。
登山という楽しくも危険の伴う活動を、ネットで発信することに責任を持つなんて恐ろしいことは私には出来ませんが、だからこそ、少しでもその入口になれればと「登山塾」を通して発信してきました。もし、山登りを始める方がいるなら、まずは「講習で山のことを学ぶ・習うこと」です。そしてそこで出会う方々はきっと、今後皆様が登山をする上での楽しい山仲間となってくれるはずです。
ではでは。これからも皆様が安全な山の活動を続けてくことが出来るよう願っております!
&Green 公式ライター/ webクリエイター
幼い頃から自然と親しむことで山の世界に没頭し、大学時代は林学を学ぶ傍らワンゲルに所属。海外トレイル、クライミング、ヒマラヤの高所登山から山釣りまであらゆる手段で山遊びに興じながら株式会社アンドに勤務する。&Green運営・管理を担当。最近は「10秒山辞典」なるものを作成しているとか。