お花で気分を変えよう!花の歴史と色彩心理:第11回【すがすがしいカーネーションの緑】

暮らし

母の日の贈り物としておなじみのカーネーション。色は、赤、ピンクが定番ですが、グリーンのカーネーションがあるのをご存じですか?

グリーン系の花の魅力とは?

お花が好きな方なら、カーネーションだけでなく他の品種でも「グリーン系の花」が売られているのを見たことがあるかもしれません。


バラ、トルコキキョウ、クリスマスローズ、ガーベラ、アジサイなど、多くの花からグリーンの品種が誕生しています。人気の園芸用の花には必ずグリーン系の花があるといっていいぐらい、緑色の花がよく見られるようになりました。グリーン系の花は、カラフルな花を見慣れた目には新鮮に映り、どんな色の花とも合うことから、フラワーアレンジメントにも欠かせません。

グリーンカラーは白いドレスにもよく合うので、葉のグリーンや白い花などと組み合わせて、ウエディングブーケにもよく使われています。

緑の花はいつからあるの?

緑色の花はめずらしいものではありますが、自然界にも存在しています。たいていの植物には葉の緑色の色素、クロロフィルがあるので、緑色がかった花が生まれるのは不思議なことではありません。たとえば、「ギョイコウザクラ(御衣黄桜)」という日本各地の里山で見られる桜は、咲き始めは淡いグリーン色をしています。その後、少しずつ黄色に変化し、最後に中心部が赤く染まります。

他にも、山野草などでグリーンの花はときおり見られます。それでも、緑色の花はそれほど頻繁に見られるものではありません。これは、葉の緑と花の色が同化してしまうと、昆虫からは見つけにくく、受粉しにくいためだと言われています。前述のように、グリーン系の花が人気になったことから、生花業界では品種改良がさかんに行われています。今では、素敵なグリーンの花が数多く流通するようになりました。

母の日のカーネーションの起源

カーネーションといえば、母の日に贈るものですが、この風習が始まったのは、1905年のアメリカ、ウエストバージニア州。アン・ジャービスという女性が亡くなったときに、娘のアンナが教会で白いカーネーションを配ったのが始まりです。

亡くなったアン・ジャービスは、南北戦争の頃、南北双方の兵士に衣食を提供し、負傷兵を看護するコミュニティをつくった社会活動家でした。彼女が25年にわたって教会の日曜学校でも教える著名な人物だったこともあり、亡くなった3年後の1908年の命日には1万5千人もの人が礼拝に訪れたそうです。

このように、亡くなった一人の母親のためにカーネーションを贈るという形で始まった風習はしだいに広がっていき、1910年には、ウエストバージニア州知事が「5月の第2日曜日を母の日にする」と宣言するに至ります。これをきっかけにアメリカ全土に母の日の風習は広まり、同じ頃に日本にも伝わりました。

白いカーネーションは母の日には贈らないとされていますが、これは、亡くなったアン・ジャービスに贈ったカーネーションの色が白色だったからです。日本でもかつては、亡くなったお母さんには白いカーネーションを贈るもの、と教わった時代があるそうなので、ご健在のお母さんに白いカーネーションを贈ることは避けておいた方がよさそうです。

緑のカーネーションの花言葉と色彩心理

緑のカーネーションの花言葉


カーネーション全般の花言葉は「無垢で深い愛」です。赤いカーネーションには「母への愛」「熱烈な愛」、ピンク色のカーネーションには「温かい心」「感謝」などの花言葉があります。母の日に贈るのはふさわしくないとされる白いカーネーションの花言葉は「純粋な愛」「私の愛は生きています」。花言葉はネガティブなものではないので、日常の中に白いカーネーションを取り入れてみるのもいいですね。

緑のカーネーションには「癒やし」「純粋な愛情」という花言葉がつけられています。母の日にも、しっくりくる花言葉です。赤やピンクのカーネーションを何度も贈っているお母さんには、グリーンのカーネーションを選んでみてはいかがでしょうか?

緑色の心理効果

植物を連想する緑色は人間にもっとも【調和的】とされている色です。植物の成長をイメージさせる緑色には、【自然体】【生命】なども連想ができます。新緑や自然を連想させるこからリラクゼーション効果が高く、人間関係や仕事のトラブルなどで疲れた心を和ませてくれる色です。自然豊かな場所に行くと心身がリラックスしますよね。人は自然と緑を欲する生き物です。又、木の成長を意味する緑色には自己成長を支える効果の高い色でもあります。【仕事】【自己成長】【お子様の成長】【学業・習い事】など、様々なことの可能性を広げ、成長していく為に大きな力で支えになってくれる色です。

緑色を好む人

緑色を好む人は誠実で素直な心をもつ優しい人です。とても真面目で相手の深い部分に寄り添うことができ、自然や動物が好きな寛大な人です。平和を好むことから人に合わせすぎてしまうところがあるので、少し疲れやすい所があるかもしれません。穏やかでのんびりとした性格に思われがちですが、木の根のようにしっかりとした強くたくましい信念をもっている人です。自己主張が苦手なので、初対面の人と打ち解けるのには時間はかかりますが、その分、親しくなると相手から絶大なる信頼を得ることのできる人です。

記事監修(色の心理効果):milieu
参考著書:色と性格の心理学

おわりに

今回は【カーネーション】と【緑の心理】について紹介しました。この機会に、お花と色彩心理から”自分らしく暮らす”ライフスタイルを見つけてみてはいかがでしょうか。次回は、いよいよ最終回!!お花で気分を変えよう!花の歴史と色彩心理【ひときわ目を引く、アジサイの青】です。雨が続く梅雨の季節にも、わたしたちの目を楽しませてくれるアジサイの花と青色の心理をご紹介します。

↓↓今回参考にした著書はコチラ↓↓

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