お花で気分を変えよう!花の歴史と色彩心理:最終回【ひときわ目を引く、アジサイの青】

暮らし

雨が続くうっとうしい梅雨の季節にも、わたしたちの目を楽しませてくれるアジサイの花。イメージする色は人それぞれでしょう。紫、ピンク、水色、青、白、グリーンなどの色があり、色の濃さのバリエーションも豊富です。

今回は、目に鮮やかな青色のアジサイをピックアップします。

アジサイの花びらの秘密


まるく咲いたアジサイは、たくさんの花びらにおおわれているように見えますね。ところが、アジサイの青色や紫色の色彩の元であるたくさんの花びらは、実は花びらではないのだそうです。アジサイの本当の花は、花びらに見える部分の内側にある細かい部分で、その周りのまるで花びらのように見えるものは、本当は花を守るための「ガク」に分類されるとのこと。アジサイと同じようにガクがまるで花びらのように見える花には、オシロイバナなどがあります。

アジサイの色が変わるって本当?

アジサイの色が変わるという話を耳にしたことがある方もいるかもしれません。これは本当のことで、アジサイの多くは土の酸性度によって花の色が変わります。簡単にいうと、土が【酸性】ならば【青色の花】【アルカリ性】ならば【赤色の花】になります。

もう少し詳しく言うと、花の色は色素のアントシアニンの量で決まります。アントシアニンは、土壌中のアルミニウムとの反応で出たり出なかったりしますが、反応するアルミニウムは土が酸性かアルカリ性かで溶け出す量が変化します。それで、土の性質によって、花の色も変わるのだそうです。

アジサイなら何でも色が変わるわけではなく、土を変えても同じ色の花しか咲かない品種もあります。目安としては、昔からあるアジサイは色が変わるものが多く、近年出回り始めたアナベルなどの改良種は色が変わらない傾向にあります。

ガーデニング愛好家の中には、土を工夫して自分の好きな色のアジサイを咲かせる人もいるようです。手軽に試したい場合には、「青い花用」「赤い花用」に作られた培養土や肥料も市販されています。

青色のアジサイはめずらしい?


水色やブルーなどの青系のアジサイとピンクや紫などの赤系のアジサイ、どちらを良く見かけますか? 気をつけて見てみると、水色も含めた青系のアジサイの方が多いことに気づくのではないでしょうか? 雨が多い日本では、土の中のアルカリ成分が雨によって流されるため、酸性の土が多くなっています。

そのため、庭や花壇など、地面に直接植えたアジサイは、何もしなければ青系の花を咲かせることが多いのです。たしかに、ピンクや赤紫のアジサイよりも、水色ががったアジサイをよく見かける気がします。

でも、青系のアジサイが多いとはいっても、鮮やかな濃いブルーのアジサイはそんなに多くはありません。日本の土が酸性とはいえ、真っ青なアジサイを咲かせるには、人の手による調整が必要なようです。

アジサイ「オタクサ」に秘められた愛の物語


長崎に、人々に愛される「オタクサ」というアジサイがあるのをご存じですか? アジサイの花をかたどった「おたくさ」というお菓子も親しまれています。この不思議な響きの名前は、江戸時代後期に長崎に滞在した医師、シーボルトが名づけたもの。医業のほかに、植物学も学んだシーボルトは、日本の植物を海外へ紹介したことでも知られています。ウメ、ユリ、ボタン、サザンカなども、シーボルトによって初めて海外へもたらされました。

オタクサの名前の由来は、シーボルトの日本人の妻の名「お滝さん」ではないかと言われています。ただ、シーボルト自身は「Otaksa」“日本の植物園で呼ばれている名前だ”という解説文をつけていて、お滝さんが由来とは明言していません。

後に、植物の発見や命名に心血を注いでいた植物学者の牧野富太郎が、日本のどこにもアジサイをオタクサと呼んでいた例がないことに着目し、「Otaksa=お滝さん」ではないかと推論し、これが定説となりました。

シーボルトが、お滝さんの名をアジサイの名前にしたのは、単に愛妻家だったからではありません。そこには、シーボルトとお滝さんの悲しい別れがありました。

1828年、シーボルトは、日本国外に出すことを禁じられた日本地図などのコレクションを一時帰国の際に持ち出し、取り調べを受けます。この出来事は「シーボルト事件」と呼ばれ、多くの役人や門人も有罪となりました。シーボルトも、国外追放のうえ、再渡航禁止の処罰を受け、愛する妻子と別れることになってしまったのです。

シーボルトが、会えなくなってしまった妻の名前を「オタクサ」の名前に込めたと思うと、感慨深いものがあります。この話は広く知られ、オタクサやアジサイは、俳句や短歌の題材としても人気の花となっています。

青のカーネーションの花言葉と色彩心理

アジサイの花言葉

アジサイ全般の花言葉には「移り気」というものがありますが、これは花の色が変わることからつけられたものでしょう。小さな花が集まった様子から、アジサイ全般には「家族」「和気あいあい」という花言葉もあります。青色のアジサイには、「辛抱強い愛」「冷淡」「知的」などの花言葉があります。「辛抱強い愛」は、先述したシーボルトの日本人の妻、お滝さんを思い起こさせます。

青色の心理効果

青色は、【副交感神経】に働きかけて興奮状態を抑えます。心を落ち着かせ穏やな気持ちにしてくれる色です。青色は知性や理性に大きく働きかけることで【ビジネス面】【学業】でも多く取り入れられています。物事に対し冷静に集中して取り組む姿勢を与え、成果をもたらします。脳科学では青色を見ると幸せホルモン(セロトニン)の分泌が促進されることで、精神面に大きな影響を与えてくれると言われています。セロトニンが増えることで、ストレスが軽減されたリラックス状態の脳は、集中力を高め成果をもたらす結果となるということです。青色は【内(自分)】と向き合う色でもあります。自分を高めたい、集中したい時などはオフィスや書斎に取り入れることをおすすめします。又、お子様の勉強机や文房具などに青色を取り入れて頂くことで気が散ることなく、勉强に集中できる環境を創れるかもしれません。

青色を好む人

青色を好む人は、【直感力】に優れ【創造力】豊かな人です。急かされることや争い事を嫌うので、誰とでもうまくやることを重視します。反面、責任感があってクールな印象を与えてしまうため、本来の寂しがりやで人恋しい一面を表現することに躊躇してしまいます。ですが、冷静な判断力に長けていることは事実なので、物事に真面目にとり組むことで周からの信頼も高いです。うまくやることを重視するあまり自分の意志や主張が弱く伝えるのが苦手なので、自分の意見をしっかり相手に伝え、相手の意見も尊重できるようになると、もっとご自身のことも相手のことも大切にでき、本当の意味で信頼関係を築くことが出来きるのではないでしょうか。

記事監修(色の心理効果):milieu
参考著書:色と性格の心理学

おわりに

いかがでしたか。今回は【アジサイ】と【青の心理】について紹介しました。今日で最終回を迎えたこちらのコーナーですが、大変多くの方にみて頂けました。とても嬉しいです。感謝申し上げます。この記事を通して、皆さまが、お花と色彩心理から”自分らしく暮らす”ライフスタイルを見つけて、地球という素晴らしい場所でナチュラルに生きれることを願っております。

↓↓今回参考にした著書はコチラ↓↓

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