「&Greenライターさんに聞いてみた!!山とトレイルのあれこれ」ー第2弾ー sayaさん

アウトドア

&Greenでは「山と生きる」をテーマにとにかく「山が好き」「トレイルが好き」「自然が好き」というライターさんたちに執筆していただいてます。それぞれが山やトレイルに対して、どんな思いで、どんな出来事を体験して今に至ったのか直接聞いてみたい!!と思い立ち、「あれやこれや」と山のことを聞いてみることにしました。

第二弾は、sayaさんにインタビュー!!

ではでは早速いってみましょう!


Q1.山のことを書きたいと思った理由は?

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なんでだろう・・なんでですかね??(苦笑)

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最初は旅のことを書いていました。どちらかと言うと旅のほうが最初で、たった1人で違う世界に入ったときのどこにも向けようのない感情を日記で吐き出していて、これがいつか年老いたときに自分が見て楽しむためのものだったんです。あのときはこういう感情で山登ったり旅したりしてたんだなって思い返したくて。若者日記です。

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あとは普通に文章を書くのが好きで、日々日記を書いてました。自分の感情を文章にすると頭が整理されて本当の感情に気がつくんです。その延長で山のことを書いているのかもしれないです。

Q2.sayaさん自身の中において山登りはどういう立ち位置にありますか?

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山登りというと、自己表現の一つのような捉え方をされることがありますが、そのあたりの考えをお聞きしたく

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私の中では自然の中にいて泥まみれになりながら、なんか「生きている」と感じることによって認識する自分と、おしゃれして街に出てカフェ行ったり、ショッピングしたり、そういう自分もいて、どっちも好きな自分で。でもお互いが混ざるんじゃなくて棲み分けがされていて、街で山の服は着たくないし、山の中でおしゃれ要素を取り入れるのも好きじゃなくて。そういった意味で山はありのままの自分で居たまま楽しめる場所なので、自己表現と言うより自己表現しないでも自分でいることができる場所なんです。

Q3.山登りにおいて楽しくないことを教えて下さい。

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ピストン(※同じルートで上り下りする山登り)は嫌いです。上り下りをたところをまた上り下りする感じが凄くテンションが下がります。あとは、人がたくさんいる山に行くこと。人から離れたくて山に行っているのに、そこに人がたくさんいると、「え、ここもかよ」ってなります。あと、自分と合わない人と登ることです。マジで嫌です。それなら登りません。何かあったときに遠慮して言うべきことが言えないような気もします。

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結構嫌なんですね笑

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嫌です。嫌なシチュエーションが多いです。

Q4.自分にとっての理想的な山との関わり方はありますか?現実的でなくて結構です。

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登山やクライミング、トレランのような趣味のみならず、狩猟、林業、色々あると思いますが、こんな山との生活がいい!みたいな

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登山とかだと道をただ歩くだけ、おっきい山の一部の一本の線をあるくだけで、それはそれなりの面白さがあるんですけど、日本人の里山のDNAなのかわからないですが、森とか山の恵みをありがたく頂戴して生きていくような山との関わり方をしたいです。山が生活の糧の一部であってほしいというような。山の麓の古民家とかで山で切り出した薪でお風呂沸かしたり、イワナとって食べたり、きのこ食べたり。最期は樹の下に埋められたいです。

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そう思ったキッカケはなにかありましたか?

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山登らせてもらったり、こうして普段の日常生活を送っているときもそうなんですけど、自然の恵みに生かされていることを忘れがちというか。例えば、山登っているときも登ることだけに集中しちゃって、生活のときも、自然が支えてくれていることを忘れてしまうことがあって、それは人間としていかがなものかって。だから(私が考える)あるべき姿を求めてというか。社会とか利益とか権力とか、誰がすごいとか、そういうのに振り回されずに生きることにただ感謝したいというか。恵みをくれる自然が一番すごいんですよ。

Q5.山の中での安全管理についてsayaさんなりのこだわりや取り決めはありますか?

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日帰りでも、夜を越せるセットを持っていきます。ツェルトとサバイバルシート、モバイルバッテリーとか。あと、ダウンとフリースとニット帽は超暑い夏山でも必ず持っていきます。GPSの携帯、塩、ザックの上蓋に英語と日本語でエマージェンシーの場所を書いておくとか、その中にはポイズンリムーバーと人工呼吸用のマスクとか、自助・他助の道具が入っていたり。どこか遠くへ行くときは家族など身近な人に必ず連絡しますし、行動面ですと、分岐で休むようにしたり。急いでると間違えやすいので一休みがてらルート確認を確実にしたり、早い時間に出るは当たり前ですかね。あと、お腹が弱いので食べ物には気をつけています。あと腹巻きとか。

Q6.装備のこだわりはありますか?

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山遊びは全くルールがなくて、どの装備で行くべきというルールがあんまり決まってない遊びで、それなのにすごく危険な遊びでもあるから、だからこそ自分の体質や性格とかにあったものを常に選んでいく必要があると考えていて。例えばどういうときに寒くなるとか、私の場合は末端冷え性で、止まるとすぐ寒くて動くとすぐ暑いとか、背中と膝の汗がすごいとか、お腹が弱いので底冷えしないようにマット選びを気をつけたりとか、髪の毛が多くて肌が弱いので通気性が良くてつばも広い麦わら帽子がいいとか。登山用品店にあるものでは満足できないことが多くて、自分で縫ったり貼ったりして作ったりもします。シュラフカバー作ったりザックを改造したりズボン切ったり。自分に合うように日々研究してます

Q7.部活、山小屋、クライミングジム、アクティブレンジャー、海外でのソロ活動、いろんなアプローチで山と接してきたと思いますが、それらを経て思ったことはありますか?

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山との関わり方は自分が思っていたよりも多くて、人ぞれぞれで、目に見えるものでいえば山に登っている人、山で生活している人、山を守ろうとしている人、山をお金になるものの資源として仕事している人もいて。全体的に言えるのは、山というか、自然に対して本当に敬意を評している人は少ない気がしていて、スポーツ的な側面を持っていたり、俺はどこに登ったぜって人が居たり、ここを開発すればいくら儲かるって人もいるし。別に山に対してどのような考えを持とうとどんなスタイルで山に関わってもいいと思いますが、山に遊ばせてもらってるとか恵みを頂いているとか、そういう敬意を持つという考えがもう少し普及してもいいんじゃないかと思います。山というか、自然ですね。全般に対してです。お金、競争、とかじゃなくて、利用することに対するねぎらいの気持ちがもう少し多ければより美しい場所になると思います。自然がないと生きていけないんですから。

Q8.山に関するこれからの挑戦を教えて下さい。

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10代の頃雑誌の一面で見たニュージーランドの写真が忘れられなくて、それからずっとニュージーランドの森を歩きたいと、呪いのようにずっと思っています。ただ挑戦というのも変だなと思ってまして。自然は挑んだって勝てるようなものではなくて、挑むこと自体がおこがましいというか、挑める相手じゃないというか。ただ一匹の生き物としてお邪魔します。

Q9.最後に、これだけは伝えたい!ということはありますか?

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私は登山者ですとか、ハイカーですとか、クライマーですとか、みんななにかになりたいような、属したい人が多いように思いますが、大きい自然に比べたらそんなのどうでもいいんですよ。そういうのは嫌いなので。私は何者でもないんです。ただ自然の恵みに遊ばせてもらっているだけです。これからも私はわたしでいようと思います。


時には山岳会ともに登山道のこれからを考えたり、時には山小屋で働いたり、最初は厳しい歩荷訓練から重い荷物の背負い方を学んだり、ジョン・ミューア・トレイルやヒマラヤのランタン渓谷のようなところをソロで旅したことや、あえてトレイルという視点に絞ってみたり、そこから離れてみたり。山を囲む人間関係はときに哲学的な考えや、伝統を重んじた考えに、良くも悪くも支配されることが多いように思いますが、全ての考え同士の親和性が高いとも限らない世界です。その多様な経験は即時に得られるプラス要素と同時にそれを一時的に消してしまうほどの多くの悩みを生み、そしてそれを咀嚼しきることで得られる視点を彼女は持っているのでしょう。伝統的な登山スタイルから新進気鋭のものまで多くのものに触れざるを得ないような立場を経験したその視点は、これからの山を取り巻く環境へのヒントがあるのかもしれないです。

彼女の話の中に一貫して感じられるのは周囲に対する強制の要素が無いという点。人間誰しもが自分の望む環境に事が進むように動きたがるもの。しかし、彼女は不特定多数に対して発言できるこのインタビューの場でもそれをしませんでした。それは制御より許容という、これからも更に増えるであろう山との関わり方が、みな平和で生産的であるあるために人が目指すべき姿勢の最たるものなのかもしれないです。いいすぎですかね。さてさて編集者の締めはこの辺にしておきましょう。ありがとうございました!

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