シーバス(Seabass)は、日本語では「スズキ」と呼ばれるルアー釣りの人気対象魚です。シーバスフィッシングの魅力は、運河や防波堤、川、サーフなど、都会の海を含む幅広いフィールドが舞台になること。また、シーバスは昼夜やシーズンによって行動バターンがある程度決まっていることから、シーバス釣りにはこれを想定しながら釣りの組み立てを考えるというおもしろさがあります。
シーバス(スズキ)について
シーバスは「スズキ」としておなじみの魚です。スズキは、ブリなどと並び、出世魚として知られています。30cmに満たないような幼魚を「セイゴ」。30~60cm程度の個体を「フッコ」。それ以上の大型魚を「スズキ」と呼びます。シーバスは基本的に夜行性で、昼間は障害物の影などに隠れていて、夜になると回遊を始めます。シーバスの中には、1mを超えるような大きさに成長する個体もあります。フックから逃れようと荒々しくエラ洗いを繰り返すシーバスのファイトも、ルアーマンを魅了する要素です。一般的にシーバスというと「マルスズキ」のことですが、磯にいる「ヒラスズキ」、西日本を中心に生息する「タイリクスズキ」などもシーバスといえるでしょう。
シーバスの生態について
ここからは、シーバスの特徴的な生態についてお話しします。釣りをしているとさまざまな場所でシーバスに出会うことがありますが、本来は海水と淡水が交わる汽水域を好む魚です。
シーバスが好むエリア
シーバスは、川の河口部などの汽水域を好みます。汽水域はシーバスのエサとなる小魚やエビなどの生き物が豊富だからです。ただ、シーバスはエサが豊富な場所であれば。堰などで阻まれない限りどんどん川を遡っていきます。港湾部や生活臭の漂う運河にもシーバスはいます。大型のシーバスはあまりいませんが、このような環境はプランクトンやベイト(エサ)も多いので、稚魚や小型の個体には最適な環境なのでしょう。ただ、シーバスは年間をとおしてずっと同じ場所にいるというわけでもありません。居着きの個体もいますが、シーズンによってシーバスが中心とする生活エリアは変化します。
季節的なシーバスの動き
地域的な違いはありますが、シーバスは季節によってある一定の行動をとる魚です。もちろん、すべての個体がその動きをするわけではありませんが、この季節的な動きは釣りを組み立てるうえでとても重要です。
冬のシーバス
シーバスは、12~2月頃にかけて産卵します。成熟した個体の多くは、産卵のために沖の深場へと移動しますが、未成熟のセイゴサイズの魚は港湾部などで過ごします。そのため、この時期の陸釣りでは釣れても小さいサイズの魚が多くなります。もしもよく太った大きな魚に出会えたら、それはおそらく産卵を控えた魚でしょう。冬が深まると、温排水がある運河などを除いては、陸からの釣りは難しくなります。海水温が低下し、ベイトとなる小魚が深場に落ちてしまうため、シーバスも深場に落ちてしまうのです。この時期は船で沖に出て、ジギングで狙うと数釣りができる場合があります。
春のシーバス
晩冬から春先にかけては、まだ海水温が低い時期ですが、産卵を終えた個体は体力を取り戻そうと徐々に動き出す時期です。まだまだ活性は高くないのですが、2~3月頃になると、あるイベントが発生し、入れ食いになることもあります。そのイベントとは「バチ抜け」です。バチとはゴカイやイソメなどのこと。バチが潮の動くタイミングで海底から出てきて水面を泳ぎ回ると、このバチを狙ってシーバスがやってくるというわけです。バチ抜けが発生すると、港湾部でも海面を割ってルアーに食いついてくるシーバスを目にすることができるでしょう。さらに春めいてくると、ベイトフィッシュが接岸するためシーバスもそれを追って浅場に入ってきます。アユが遡上する川では、このアユを追ってシーバスが川に入っていきます。春はバチ抜けが起こりやすい河口部や港湾、稚アユが通るエリアがよいポイントです。
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夏のシーバス
初夏は、春の続きでベイトフィッシュがよく回遊するため、シーバスにとってもよい捕食シーズンです。梅雨になると海水もにごりがちになるので、さらに活性が上がります。この時期は、さまざまな場所でシーバスに出会えるでしょう。真夏になるとハゼの仲間がよく釣れるようになりますが、シーバスもよくハゼを捕食します。ハゼの人気ポイントは、シーバスの人気ポイントといってもいいでしょう。ただ、真夏の海は高水温により赤潮が発生しがちです。赤潮が発生するとベイトもそのエリアには寄りつかなくなるので、シーバスも離れてしまいます。夏のシーバス釣りは潮通しとベイトフィッシュが鍵になるので、河川や潮がよく流れる深めのポイントを狙うといいでしょう。
秋のシーバス
初秋のシーバス釣りは、夏同様に回遊するベイトの動きに左右される釣りになります。この時期は、夏と同じパターンで釣りを組み立てると釣果につなげやすいでしょう。秋は台風や季節風の影響で、水温や水質が目まぐるしく変化します。そのため、天候の影響を受けやすい岸近くを避け、一時的に深場へと落ちる個体もいるようです。天候が安定しない時期は群れで固まりやすいため、もしもそういうポイントを見つけられれば爆釣できるかもしれません。晩秋は、そろそろ産卵に備えて荒食いを始めるシーバスが出てきます。岸近くに寄っていた群れも、徐々に沖へ落ちていきます。秋は、夏同様にベイトフィッシュの動きが釣りの鍵になります。イワシなどの回遊魚がよく釣れるエリアや、運河などがよいポイントになります。また、この時期はアユが海に下るため、川や河口部もよいポイントです。
まとめ
シーバス釣りは、シーバスの生態を知り、行動パターンを考えて組み立てることでよりおもしろさが増します。船で沖に出てのジギングや、春先のバチ抜けは、シーバス釣り入門に最適です。ぜひ挑戦してみてください。
【 この記事を書いている人 】
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