■登山データ
藤野駅=(徒歩)⇒陣馬山登山口(199m)⇒栃谷(320m)=(栃谷尾根コース)⇒陣馬山(855m)=(一ノ尾尾根コース)⇒陣馬山登山口
新緑のまぶしい4月、藤野駅で友人と待ち合わせ、体ならしに陣馬山へ登ることになりました。お天気にも恵まれ、駅の周辺は沢山の人でにぎわっています。駅には観光案内所があり、ハイキングマップをもらいました。
【陣馬山ハイキングマップ】
陣馬山は頂上までいくつかコースがあります。山頂近くには駐車場もあり、家族連れでも気軽に登れる山です。ちょっと足を延ばせば、景信山から高尾山まで縦走もできるコースもあり、低山ながら多様な楽しみ方ができます。今回は栃谷尾根コースを登り、帰りは一ノ尾尾根コースを下るルートを歩きます。
藤野駅から陣馬山登山口までは2kⅿほどあります。バスも一応出ているのですが、本数が少ないこともあり、ここは30分ほど歩いて登山口を目指します。春爛漫、民家のお花を愛でながら登山口に到着しました。
【陣馬山登山口】
登山口からすぐのところに分岐点の標識があります。左に行けば一ノ尾尾根コース、右は栃谷尾根・奈良子尾根コースです。左に進んで舗装道を歩くこと20分ほど、栃谷分岐点(320m)に到着しました。ここを左にしばらく進むと、茶畑の中を抜ける道に遭遇します。端正に刈り込まれた茶畑の列が青々として、面白くも心地よい眺めです。ふり返ると、茶畑の向こうの山の峰から富士山の白い頭が見えました。これは下りながら見る方が良かったかも、という想いがちらりと頭をかすめます。茶畑近くには民家らしき建物もあり、ここで遊んでいた子どもたちに挨拶されました。この辺りでは登山客をよく見かけるので、礼儀正しいのでしょうかね。
【栃谷山麓の茶畑 奥にのぞく富士山頂上】
ジグザクとした登山道を抜けると、傾斜のある登りになります。冬の間になまった体にはちょうどいいトレーニングです。少し息も上がり、ひと登りを終えた付近が、標高530mくらいです。その後はなだらかな登りが続き、ゆるゆると山頂を目指します。
栃谷尾根コースは昔からの古道で、一番古いコースだそうです。ちなみに陣馬山の名前の由来は、かつて武田氏が北条氏の滝山城を攻めた際に、この山に陣を張ったところから名付けられたという説があります。陣を構えた場所⇒陣張り(陣場)⇒陣場がいつの間にか陣馬⇒陣馬山として定着するようになったというのが伝言ゲームのようで面白いですね。陣馬山で一番古いと言われるこの古道を、かつての武士たちが踏みしめたこともあったのでしょうか。
なだらかな登りを過ぎ、山頂まではもうひと踏ん張り、急な階段の坂を登りきり、山頂に到着しました。登山口からは休憩を入れつつ、1時間半ほどかかりました。さすが随一の展望を誇る陣馬山山頂、開けた広場に茶屋が点在し、たくさんの人でにぎわっています。360度のパノラマが広がり、すぐ近くに藤野15名山にも選ばれている生藤山、奥多摩方面の山々、富士山も新緑の間からのぞきます。生命力あふれる若葉と、淡く青い山の峰のコラボはこの時期ならの光景ですね。
【陣馬山山頂から富士山】
【白馬像】
馬繋がりで観光用にと建てられた白馬像ですが、この山のシンボルとして人気者です。青空にすらりとした白い姿が映えます。高く掲げた長い首は、富士山に向かって、いなないているとか。
山頂には三つの茶屋があります。それぞれ名物もあるようですが、岩清水KEYコーヒー(ドーナツ付き)を和田峠コース沿いの信玄茶屋でいただきました。山頂でもこんなきれいな陶器のカップで出してくれるとはこだわりを感じますね。ほどよく汗もかきましたが、コーヒー党としては本格的な熱々コーヒーが飲めるのは嬉しい限りです。
【信玄茶屋にてコーヒー休憩】
武田信玄から名付けられたであろう信玄茶屋、もしここに武田勢が陣を張ったとすれば、あたりの様子もよく見えたことでしょう。ちなみに陣馬山から縦走できる山として、景信山といういかにも武将の名前のような山がありますが、こちらは武田氏に対抗して、北条方の武将が烽火(のろし)台をここに築いたからという説があります。山の名前や由来を調べると、昔の人がどのように山を見てきたか、関わってきた歴史が垣間見えて面白いです。
山頂で30分ほど休憩をはさんだのち、一ノ尾尾根コースで下山します。木で組まれた階段の道を進みます。若葉が作る木陰の道が心地よいです。
【一ノ尾尾根コースを下る】
一ノ尾尾根はなだらかで整備されたコースなので、ファミリーにも歩きやすいコースです。たっぷりと新緑の道、風を満喫して、藤野駅まで2時間ほど歩きました。お天気にも恵まれて、気持ちのよい山行になりました。
今回はバスを利用しませんでしたが、藤野駅からは陣馬山登山口の他、和田バス停までの便も出ています。(神奈川中央交通西バス:1時間に1本程度)途中で一ノ尾尾根コースに合流する和田尾根コース(2コース有り)は、広葉樹が豊富で紅葉の時期など楽しめます。
陣馬山山頂から奈良子峠、明王峠を経て景信山まで縦走、さらに足を延ばして高尾山まで縦走するコースは、標高差も少なく、初級者でも縦走を楽しめる入門コースとして人気です。(高尾駅から出ている西東京バス利用で、陣馬高原下バス停からのアクセスも有り)
また山頂近くの和田峠(690m)に駐車場があるので、そこから山頂を目指すこともできます。(和田峠から山頂まで所要時間30分ほど)まだお子さんが小さくて長時間の登りが難しい場合や、脚や体力に自信のない人でも、気軽に山頂の展望を楽しむことができるのは嬉しいですね。
私も今回で人生3回目の陣馬山登山でした。前回は3月初旬だったので、雰囲気もだいぶ異なりました。陣馬山は季節やコースによって、いろいろな楽しみ方ができる山だなと思います。
【初春の陣馬山山頂から生藤山をのぞむ】
※参考サイト
『八王子市公式WEBサイト』
『山ほど遊べるTAKAO』
【 この記事を書いている人 】

&Green 公式ライター
20代後半に連れて行ってもらった低山縦走コースで登山の楽しさに目覚める。一時期体調を崩したが、数年前から関東近辺の低山中心に日帰り登山を楽しむ。コーヒーが大好き。人生後半の暮らし方についてトライアンドエラーの日々。