&Green登山塾 :「登山を始めたいけど何から始めたら良いのか分からない」という方に向けて、キャラクターを使用しながら山の正しい知識と方法をわかりやすく解説しています。
登山に必要な知識を理解して知っておくべき大切な事を学ぼう!というコーナ
谷尾くん:山登り初心者の大学生。活発で好奇心旺盛。山頂で朝日を眺めることや野山で寝泊まりすることが密かな夢。体力には自信がある。
柏木さん:山登り初心者の大学生。谷尾くんと幼馴染で同級生。体を動かす事が大好き。
いつか北アルプスに登りたいと思っているけど不安。実は少し高所恐怖症。
山野先生:二人に山のことを教える先生。誰でも安全に楽しく山登りができる世の中を創ることを目指して日々奮闘中!好きな山は赤岳。趣味は下山後にビールを飲むこと。
仙人:肝心なときに登場する山の達人。山野先生のかつての師匠。&Gr
第2回「山登りを始めたい!!」〜命を守る基礎知識について〜
前回に引き続き、今日も山に欠かせない緊急事の対策について詳しく説明していこう!
はい!よろしくお願いします。
はい!よろしくお願いします。
前回、登山届について話したのは覚えているかな?
はい!山に登るときに提出する重要な手続きです。
正解。谷尾くん、よく覚えていたね!今日は、この登山届けについて説明していくよ。
手続きと聞くとなんとなく面倒で難しく考える方もいるかも知れません。でも、登山届けは基本的にすぐ手続きができるんだよ。
え?すぐ・・・ですか?
うん。覚えたら簡単だから心配いらないよ。どこの登山口にも登山口専用ポストというものが必ず設置されているんだ。登山届はこの専用ポストに提出するのが基本だよ。
山のエリアや山の管理サイトなどによって提出の方法は様々、登る山のフォーマットに沿って入力、または記入して提出していくよ。ここで大事なことは、必ず登山届を提出するということ。
なるほど!勉強になります。提出は、命を守ることにもつながるということですね。
素晴らしい返答だね。その通りです!詳しくは「登る山のエリア名+登山届」でネット検索すると情報が記載されているよ。登る山を決めたらまずはその山の届けについて確認してみよう。
ただし、全ての山にフォーマットがあるわけではいんだ。山によっては自分で記入して提出する場合もあることは頭に入れておこう。
はい、わかりました!あっ、先生。もし自分で記入する場合には何を書けば良いのでしょうか?
基本的な項目として次を確認しておこう。
①名前
②住所
③電話番号
④緊急連絡先
⑤入山日時
⑥下山予定日時
⑦予定ルート
⑧所持装備
⑨着用しているウェアの色
など。
初めての記入は、戸惑ってしまう方も多いと思います。日本山岳・スポーツクライミング協会の登山届を参考にしてみよう!
先程も伝えたけど、提出先は登る山によりけり。登山口のポストや最寄り駅の専用ポスト、警察署への郵送が一般的だよ。
わかりました!あと・・・前回でできましたSOSとビバーク?でしたっけ??これについて教えて下さい。
じゃあ次はSOSについて話していこう!早速だけど谷尾くん、もし君が遭難してしまったらどうやって助けを求めるだろう?
そうですね・・まずは・・叫ぶ?と思います。
そうだね。まずは声に出す。いい発想だね。でも実は、叫ぶ行為はとても体力を失う行動なんだ。これからいくつかSOSの方法を紹介するのでそちらを参考にしてみてね!
はい。ありがとうございます!
まずは、遭難信号の基本から!これにはパターンが決まっているんだよ。
パターン・・?ですか?
そう。ホイッスルを鳴らすパターンだよ。遭難信号にはホイッスル(笛)を使用するんだ。このホイッスルを10秒に1回の発信を1分間繰り返す。これがポイントだよ。
1分間に6回(10秒で笛を吹く&=1セット)、これを繰り返して助けを呼ぶんだ。
では、この笛の音を聞いたら遭難者がいるということでしょうか・・・?
そうだね。もしこの笛を谷尾くんが聞いた場合にもパターンがあるので覚えておこう。
1分間に3回(20秒で笛を吹く&休む=1セット)、を1分間繰り返す。これが「あなたの遭難信号受け取りました!」という合図(返答)になるんだよ。
他にも無線機の空発信音で作るSOSやメーデーなどがあるのだけど、無線使用者が減っているデジタル化された今の時代には少し合っていないかな。でも、頭の片隅に置いておく程度に知っておくことは大切だよ。役立つこともあるかも知れないからね。
なるほど!覚えておきます!
あらゆる手段があるんですね。
でも、先生。山登りで無線なんて聞いたことがないですが、実際に使っている人なんているのでしょうか?
はははっ!そうだよね。無線は聞きなれないね。でも、実はいるんだよ。山岳会や部活で得に多いかな。無線は電波の通じない場所でも使えるから安全登山にはとても優れたアイテムなんだよ。
今はみんなスマホで済まそうとするけど、未だに電波の通じない場所は多く存在する。もう少し無線が現代登山に浸透していてもいいと思うんだけどね・・・。
無線は安全のためにも持っておくと便利なアイテムになるということですね。
山登りを安全に楽しむために知っておくことってたくさんあるんですね!なんか、もっと勉強したくなってきました!
お!いい心がけですね。嬉しいです。こうやって少しずつ知っていくことで山登りはもっと楽しくなるんだ!まだまだ一緒に学んでいきましょう。
はい!僕ももっと知りたくなりました!あと先生、ツェルト?でしたっけ・・・?
そう!よく覚えていたね。ツェルト!登山中の緊急事態で下山を断念せざるを得ない状況になった時、その場で寝泊まりすることを「ビバーク」って言うんだ。このときに便利なのがツェルトだよ。
それはどんな道具なのでしょうか?
トレッキングポールや木の幹を使って張る簡易的なテントのようなものだよ。雨風をしのいだりする緊急時の体力温存の要だね!
なるほどです!
でも、この設営が出来ないほど体にダメージを負ってしまっている時はサバイバルシートの出番!これもまた必須アイテムなんだ。
あ!金色や銀色のテカテカのやつですか?
そう!柏木さんよく知っているね。色によって効果が違ったりするんだ。そこは商品によって様々かな。
ほかに何か安全対策の装備でおすすめはありますか?
そうだなぁ、ポイズンリムーバーかな。これは私も2回ほど使用したことがあるよ。毒を持った虫や蛇から刺されたときに使う緊急毒抜きだよ。
あとは熊スプレー。これはツキノワグマの生息域がかぶっているところに限定されるけど持っておいて損はないかな。(※日本の一部では地域絶滅している)
とにかく、究極的なピンチの時にはこうした様々な手段が命を助けることにつながるという事を忘れずに頭に置いておこう!
そろそろ終わりの時間だね。今日はここまでにしよう!また次回お会いできるのを楽しみにしていますよ。
はい!ありがとうございました!
はい!ありがとうございました!
今回のまとめ:
・遭難信号はホイッスルを使う
・遭難⇨10秒に一回鳴らす&休む×6セット 遭難者を見つけた⇨20秒に一回鳴らす&休む×3セット、
・楽しむ知識は大事、しかし命を守る知識はもっと大事に!
これは山の安全対策の基本じゃよ。よーく覚えてよーく復習するんじゃぞっ!さて次回はいよいよ『装備を買いに行こう』じゃぞ〜!
【 この記事を書いている人 】
&Green 公式ライター/ webクリエイター
幼い頃から自然と親しむことで山の世界に没頭し、大学時代は林学を学ぶ傍らワンゲルに所属。海外トレイル、クライミング、ヒマラヤの高所登山から山釣りまであらゆる手段で山遊びに興じながら株式会社アンドに勤務する。&Green運営・管理を担当。最近は「10秒山辞典」なるものを作成しているとか。